鬱に由来しない希死念慮

鬱に由来しない希死念慮が
時々顔を覗かせる、私は()(すべ)なく
ただ耐えるしかない、それが過ぎ去るまで
それは私を失意の底に​──〈()〉の状態に​──陥れる
抑圧を感じる 上から押し潰されそうな気がする
不安は膨らむ 私は途方に暮れる
鬱と和解しても希死念慮は消え去らないのか
鬱と希死念慮は無関係だったのか
私は思考を巡らす、それが意味がないと知りながら
私は自傷に及ばないようじっと耐える
悪い誘惑の声にも耳を貸さないよう抗う
原因を持たない死にたさ​──死ぬまでこれに
耐えなければならないのだろうか?
私は自傷にこそ及んでいないが
内側​──精神はとっくのとうに襤褸(ぼろ)同然だ
耐えてやり過ごすという弥縫策(びほうさく)はいつまで通用するか
私はいつか本当に発狂してしまうかもしれない
鬱が寛解した人間が発狂しないとは限らないのだ

鬱に由来しない希死念慮

鬱に由来しない希死念慮

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青年向け
更新日
登録日
2025-08-09

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