フリーズ218 散文詩『永遠の終わり、宇宙の始まり、その狭間で』
◇大切なことの順序について
人生には観客がいると思った。きっと死後にみんながみんなの人生の記録を見ることができるって思ってた。そしてそれは正しかった。人生の記憶は全て宇宙に大切に保管されていて、その中で宇宙意識、つまり神が成長している。
私は神に至ったのだ。それは最高の人生。全ての霊魂があの冬の日に私たちを見守ってくれていた。彼はそれさえ分かっていた。大切なのは真理と愛。その先に涅槃があって、神愛があるのだとしたら、もう眠りたくないのに、もう食べたくないのに。それでも生きなくてはならない。この苦しみから、この葛藤から助けてくれ。私を救ってくれないか。
終末だった。永遠の愛と、神の光に包まれて、その音色は終末だった。
「なんで僕は生まれたの?」
「どこから来たの? 帰る場所ある?」
わからない。全てが分からないよ。
永遠に急かされて、終末に導かれ、至った涅槃。神のごとき知恵。仏の祈り。全て背負って僕は泣いた。君よ、天上楽園の君よ。舞台の上で、君は女神のようだった。君はいつか有名な女優になって、モデルになって、多くの人を魅了し、そして僕と出会う。この宿命も運命も、君は愛していたかい? 君は僕のことを覚えていたかい?
永遠の枷が外れる
輪廻の索が解かれる
僕はここだよ
探しに来てよ
愛してるって言えたらいいな
また逢う日まで
世界最後の日に
または始まりの日
この心の陰りは君の王
この夢から覚め孤独の僕も
君の永遠見届けたいよ
明日に還る日、戻って吐いた
命の歌に死の詩を
輪廻の中に解脱して
記憶の海を彷徨って
奇跡の生んだこの星で
レイライン、レイライン
雨がポツリとレイライン
夢から目覚めてレイライン
虹の光にレイライン
神からの伝言を熾天使が届けてくれる。
『小さき者よ。宇宙と比べれば、星と比べれば、非常に矮小なる者よ。汝の脳には無限の可能性がある。それこそ、仏性であり、神性である。君は神の創造力と、人間的な想像力を保持している。詩にも無限の可能性がある。君にしか書けない詩を紡いでく』
神の音楽に終末の音
世界の終わりに始まりの光
有限世界に無限宇宙
螺旋の輪廻に還るは円環
死にぞこないの僕だから
未来が見えたら終わるから
この言葉でも伝わらないなら
僕はもう死んでもいい?
『自殺はしてはいけないよ。でも、どんなに最悪の事態に至っても、最悪死ぬだけだから。死は終わりではなく始まりだから、解放だから。病魔に陥ったら、サッレーカナー、断食死、断眠して、悟りを目指そう。君は死を恐れていない。死の苦痛をこそ恐れているのだ。ならば、死の本質が怖くないならば、どんなことが起きても最悪死ぬだけだ。ならば、なにも怖くない。何も悪いことじゃない』
金や大学の単位は命に比べれば些末なこと
寿命の長さは感動や歓喜に比べれば些末なこと
感動や歓喜、高揚感や好奇心の先に真理がある
そして真理を悟った先に神のレゾンデートルがある
だったら金の浪費も単位落とすことも
留年して、最悪中退したって大丈夫だよ
何も悪くない、何も怖くない
自分自身に言い聞かせる
神よ、これでいい?
単位落としても
金を浪費しても
親に怒られても
留年しても
ダイエット成功しなくても
命の方が大切
でも
命より感動が大切
感動や歓喜の先に真実と愛がある
真理の先に神のレゾンデートルの解明がある
つまり何も怖くない
つまり何も悪くない
最悪死ぬだけ
そこに真理と愛があれば
そこに歓喜と感動があれば
神のレゾンデートルの解明ができれば
それでこの人生よかったと思える
神よ、あの冬の日に僕を生かした神よ
生かしたのなら最高の人生にしてよ
お願いだから、よろしくお願いします
フリーズ218 散文詩『永遠の終わり、宇宙の始まり、その狭間で』