嘘と優しさ

きみが少しでも楽になるなら
僕は喜んで道化になる
きみの知らない場所で
僕は道化を演じる

人を愛する能力が
僕にはなかった
僕は嘘を吐きはじめた
嘘で自分を塗り固めた

優しさに嘘が欠かせないとしたら
僕はもう充分すぎるほど優しいだろう
僕の嘘は僕の死後も残り続けるだろう

本気で嘘を吐いていると言ったら
嗤われるだろうか、けど僕には最初から
これしか道がなかったんだ

嘘と優しさ

嘘と優しさ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-08-01

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted