傷と優しさ
傷つけば傷つくほど優しくなれる
それを信じた人たちは優しくなる前に死んでしまった
傷つくことを神聖視するのは間違いだということに
誰も疑問を抱かなかった
自身の傷と向き合うことは大事だけれど
どうかその傷に意味を持たせすぎないで
まずあなた自身が
あなたが傷つくことを望まない一人であってほしい
優しさと傷つくことは相関しない
追い求めるものを間違えないでほしい
あなたはこれ以上ぼろぼろにならなくても優しくなれるから
ぼろぼろのあなたから放たれる優しさは
同じくぼろぼろの他者に寄り添うだろう、誰よりもまずあなたが
自身のためにその優しさを使ってくれますように
傷と優しさ