『おかえり、壊れたままでいいよ』
君の帰還は今週のトップニュース
まるでお祭り騒ぎね
『おかえり、壊れたままでいいよ』
田舎の夏は単調すぎて
暇つぶしにも困るくらい
盆踊りはあっても夜店は少ないし
毎年同じようにただ過ぎるのを待つだけ
都会ではどんな風に過ごしてたのと
聞けば君は話をはぐらかす
辛いことって忘れたいものね
そんな辛さとアタシは関係ないけど
今は嬉しいだけなの
君さえ居てくれるならここも
そんなに悪くないんだから
退屈しない夏は久しぶりよ
昔と違って明るく笑えない意味も
アタシには関係ないからどうでもいい
さり気なく止めても行ってしまった
あの日の背中に恨みを込めて
田舎の夜は余りにも暗いと
貴方は嘆くように言うけれど
慣れてしまえばどうって事ないわ
星が綺麗に見えていいじゃない
電話の音に怯える顔も
アタシは嬉しくて見つめてしまう
一応心配してる振りで誤魔化し
ほくそ笑む悪い顔は見ないでね
明日は昔よく行った神社に
二人で行ってみようよ
蝉の声が五月蝿いだけだけど
本物の二人きりになれるわ
「可哀想なんて心はもう捨てたの」
『おかえり、壊れたままでいいよ』