優しさの廉売
もう誰のことも信じられない
自分のことさえ信じられない
綺麗事を囁く連中にはうんざりだ
綺麗事で腹は膨れない
頭の中には黒々としたものが渦巻いて
少しだけ誰かを傷つけたいと思ってしまう
そんなことをしても満たされはしないのに
満たされないことを進んでしようとするのは
頭が病んでいる証拠か
なぜ俺は性懲りもなく
過ちを犯すのだろう、轍を踏むのだろう
まるでそうしなければ自分を保てないとでもいうかのように
俺は愚行に走る、邪な考えを巡らす
昔から優しいふりだけは得意で
数えきれない人に嫌われてきた
優しさを安売りする自分にはうんざりだ
仮初の優しさをありがたがる奴は莫迦だが
信じられるもののない俺よりは増しなんだろうな
優しさの廉売