『シネマトグラフ』
危険は承知で飛び込んだ
愛されるなんて考えは露ほどもなく
『シネマトグラフ』
殺し屋の膝の上で踊れば
アタシはまるでシネマスター
それ程の度量なんてないけれど
この時だけは夢が見れるの
赤い髪を振り乱す様を
冷めた目で見つめる貴方は
どの映画の悪役だろうか
少なくともロマンス映画じゃない
愛を囁くより銃口を押し付けて
これが欲しいのかと問われれば
鮮やかに笑ってみせるから
どうかまだ興味を無くさないで
さっきまでの激しさが嘘みたいに
子供のように甘える貴方も
等しく愛しいのだから重症ね
どこまでも甘く受け入れてあげる
おかしいのもネジが外れてるのも
本当はアタシの方なのに
ぐっすり眠る可愛い貴方は知らない
いつか銃口を突きつけるのはきっと
今はまだ夢の中なの
命のやり取りなんて野暮だわ
貴方より先に起きるアタシに
どうか気づかないでいて
「殺されても殺しても愛は完結できるから」
『シネマトグラフ』