『悲劇』

朝焼けに涙を放り投げて
生きていくしかない


『悲劇』


冷たい頬を撫でて思うのは
例えば後悔とか懺悔とか
そういうのではなくて
ただ終わったということ

世紀の恋に美しい幕引きを
観客の期待は承知の上だけど
それはアタシの望みじゃない
永遠に明けない夜が明けるのよ

ナイフを胸に突き立てるより
アタシは一人でも立ち続けたい
たとえ非難されたとしても
生きられるだけ生きてみたい

ただひとつの愛と言うけれど
この若さを前に本気なの?
恋の情熱は長続きしないわ
違う愛がアタシを待っている筈

美しき青い目の王子様
絵になる恋をありがとう
好きは好きだったけど
貴方に運命を委ねるなんて嫌



「誰かの教訓にされるなんて御免だわ」

『悲劇』

『悲劇』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-07-10

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