『悲劇』
朝焼けに涙を放り投げて
生きていくしかない
『悲劇』
冷たい頬を撫でて思うのは
例えば後悔とか懺悔とか
そういうのではなくて
ただ終わったということ
世紀の恋に美しい幕引きを
観客の期待は承知の上だけど
それはアタシの望みじゃない
永遠に明けない夜が明けるのよ
ナイフを胸に突き立てるより
アタシは一人でも立ち続けたい
たとえ非難されたとしても
生きられるだけ生きてみたい
ただひとつの愛と言うけれど
この若さを前に本気なの?
恋の情熱は長続きしないわ
違う愛がアタシを待っている筈
美しき青い目の王子様
絵になる恋をありがとう
好きは好きだったけど
貴方に運命を委ねるなんて嫌
「誰かの教訓にされるなんて御免だわ」
『悲劇』