『出来うる限り最速の』
先生が書く文字は
何だか踊ってるみたい
『出来うる限り最速の』
赤ペンなんて意味無いこと
ずっと前から知ってるよ
でも知ってるって分かったら
気不味い顔をするんでしょ
添削して選り分けて
もっと上手に冷淡に
アタシを見つけて
誰に貰ったか忘れるくらい
平凡なネクタイを選んだの
きっと来年には忘れるわ
こんなキスも忘れちゃう
試したかった色々は
他の人とするから
今はアタシに集中して
早く眼鏡を外してよ
ここは地の果て
だとか誰かが言った
そんなもの有りはしないのに
現実を知ったら
ロマンなんて吹き飛ぶわ
恋に良いも悪いもない
アタシたちに善悪なんて要らない
必要だから求め合うだけ
それは素晴らしき自慰行為
「先生の数字は何だか泣いてるみたい」
『出来うる限り最速の』