短歌修行2
①短歌修行、継続中です。少しずつ、詠う面白さに気付けてきました。私淑するのは早坂類さん、辰巳泰子さん、東直子さん。その作品は決して詠み手の語りに陥らず、自らを後景に退け、言葉がうねうね蠢いて見える様を形にする。凄い境地。自分なりに辿り着ける所まで詠み続けたいと思います。
②十四首目の作品の誤字を修正しました(2025年6月2日現在)。
③十五首目の題詠を追加しました(2025年6月2日現在)。
訳もなく軽々飛んだ片方のシューズ山積み月欠け帰る
似て非なる形(なり)の古株ぞくぞくと集う青空市場の百円
君にだけ席を譲れた眩しさと肩身の狭い鈍行蛇腹
くるくると回る看板同業の襟足揃えカミソリ洗う
挙手を遂げ猫背に戻るその名前畳んで返す放課後ばいばい
からからと振られて笑う金平糖青色変えた半袖みせて
したくないさよならだから何度目の朝かも忘れ嗅いだ手繋ぐ
焼けるまで厚く言い訳異国風 脇の甘さに集う恋人
冠婚の時が迫れるワンピ前後ろ肩甲骨で卜い(うらない)
野次馬に囲われ「わたし」堂々と仰向け短歌さかさちりぬる
生きていた日一日と手折る ふた唇でもう少したんぽぽぽ
〈合鍵〉
どなた様と尋ねずひらく毎日 押せたチャイムが沈黙守る
割り切れる小口の件で絡ませた舌のぬめりではるうる切手
これは私に合う眼鏡 あなたもあなたもべったり残れる指紋
〈拍手〉
痛いぐらい叩けて泣いて笑えてたまるで最愛焼け跡ひとり
短歌修行2