『Tasting』

まだ君は子供だからと
言い訳じみた貴方の弱音


『Tasting』


上手く逃げ果せていた今までとは
もう違うんだから仕方ないわ
甘い蜜の罠は本気を出してしまった
許してなんてあげない

だって今まで散々待ったをされて
どんな誘いもピシャリと跳ね除ける
その厳しさに酔っていたけれど
もう子供ではなくなってしまったのよ

大人しく想っているだけなんて
子供のすることだから無理
脈打つ心臓目掛けて弓を放てば
即死に決まってるんだから

アタシの腕がいいのか
貴方が油断したからか
後で美味しく食べてあげるから
今は目を閉じて委ねればいいの

怖いことなんて何も無いわ
優しくしてあげてる内に
こっちに来た方がいいとは思うけど
苦しむのは貴方の自由だから

延命は苦痛を助長するだけ
だから一思いに、ね
苦しませたりなんかしないから
貴方の味で舌鼓を打ちたいの



「苦痛を堪能してるというのに」

『Tasting』

『Tasting』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-05-06

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