朴の梢

未だ踏みもせず朝霜(あさじも)
天地(あめつち)冴ゆる北颪
(こずえ)は白く(むち)を打ち
雲曇天の(さが)は在り
葉は騒がしき(ほお)の枝
清き冬風(やいば)は交じり
雪は積もりて旅路は白く
(しろがね)色なる野原を歩む
(あぜ)田圃(たんぼ)は枯れて(さび)しく
山の麓(すた)れて虚しく
月は茫乎(ぼんやり)雲は分厚く
路端(ろばた)を歩いて吾は何処へ
霜花(そうか)一輪夜半(よわ)(あわれ)
冬を見守る朴の梢は
冬の動悸(どうき)(ゆうべ)は白く

朴の梢

朴の梢

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-04-12

CC BY-NC
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