風車・うすらゐ

  風車(かざぐるま)

回れよ回れ、風車
子等(こら)春風(はるかぜ) 磯遊び
回れよ回れ、風車
燕は飛んで 花衣(はなごろも)
回れよ回れ、風車           
猫は眺めて 花曇り
回れよ回れ、風車
青を眺めて 春疾風(はるはやて)
回れよ回れ、風車
風は光つて 朧月
回れよ回れ、風車
(ゆうべ)(うた)う 風車

  うすらゐ

池のうすらゐ 冬は身籠り
一度(ひとたび)鶯 啼けば響いて

池のうすらゐ 春に喜び
一度土筆が 生えば揺られり

池の薄氷(うすらい) 石に(やぶ)れり
(われ)は覗いて 金魚を視れり

風車・うすらゐ

風車・うすらゐ

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-04-12

CC BY-NC
原著作者の表示・非営利の条件で、作品の利用を許可します。

CC BY-NC