勿忘草

勿忘草(わすれなぐさ)(よろこ)んだ
春風と友達になったから
勿忘草は哀しんだ
春がもうすぐ終わるから
勿忘草は仕合(しあ)わせだった
『愛』というものを知ったから
勿忘草は笑った
燕が旅の話をしたから
勿忘草は恋をした
青空に一つ浮かぶ雲に
勿忘草は嘆いた
自分が自由でないことに
勿忘草は孤獨だった
『愛』がいなくなったから
勿忘草は寂しかった
友がいなくなったから
勿忘草は()いて、憐れんで、愉快になって揺れていた

勿忘草

勿忘草

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-04-12

CC BY-NC
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