竝木(なみき)は冴えた春一番に(ふる)
芽吹きは冷たい土を彩る
東風(こち)は罪を感じている
鶯は罪を感じている
私は小禽(ことり)(さえず)りに罪を感じている
東風は一体何の罪を感じている?
鶯は一体何の罪を感じている?
私は一体何の──
否、私は罪を感じない!
否、私は罪を認めない!
私は罪人などではない!
さうだ!旅に出るのだ──遠い、遠い(ところ)へ、旅に出るのだ!
すべてを忘れる、旅に出るのだ!
なんなら宇宙(永遠)に旅立ってやらうか?

  • 自由詩
  • 掌編
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-04-12

CC BY-NC
原著作者の表示・非営利の条件で、作品の利用を許可します。

CC BY-NC