庭園

 扉を開けると我が庭である。手のひらに収まるほどの小さな畑、秋からせっせと種を球根を植え、そしてこれからまた苗の植え替えをしていく。骨が折れるが体力の話。春の花は良い。良いのだ。
 黄色、赤、青、クリアで洗練された憂いのない色。菜の花やオオイヌノフグリは自生するのでよしとして、購入した芝桜をどう植えるかを考える。
 庭は向こうの崖下に沿って扇形に出来ている。手持ち部分二辺が崖の下になっていて、今立っているのは扇の広がる部分。岩を並べて囲いにしてあり、囲いに沿って芝桜を植える。
 細長い花弁が五枚、桜のように広がる。樹木ではなく地に這う苗。だから芝。個人的見解では北海道でよく咲いており、何ヘクタールもの広大な敷地にひしめくそれは壮観である。
 濃いピンク、薄いピンク、白が多い。全部ある。
 幸いにも菜の花は畑の奥、オオイヌノフグリは岩の足元に咲いている。畑を縁取るように植えればきれいなライン状になり、喜ばしく帰宅できる。
 今日は三月にしては少々暑い。半袖は寒いが長袖は暑く、苦し紛れに腕まくりをする。畑の中央には夏に向けて野菜を植えるつもりなので数は管理せねばならない。
 雪が解け虫が起き、日が昇り沈むまで、庭はどんな形であっても手のかけ甲斐がある良いものだ。それが時に、猫のトイレになったとしても。

庭園

庭園

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-04-05

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