滲む
中野弘貴 作
夕に染まった 公園で
また明日ね。が こだました
負われた背中は 小さくなった
忘れないで 茜の蜻蛉
痛みに凍えた 外套は
幼い怖気を 抱きしめた
汚れた涙も 彼方に溶けた
忘れないで 鈍色の雪
可憐に問うた 花櫛に
弾む心も 差し出した
実は色づけど いずこへ去った
忘れないで 薄紅の林檎
いつの日か見た あの色も
いずれ目にする その色も
過ぎゆく時に 滲んでゆく
忘れないで 私よ私
滲む