滲む

中野弘貴 作

夕に染まった 公園で
また明日ね。が こだました
負われた背中は 小さくなった
忘れないで 茜の蜻蛉(とんぼ)

痛みに凍えた 外套(がいとう)
幼い怖気を 抱きしめた
汚れた涙も 彼方に溶けた
忘れないで 鈍色の雪

可憐に問うた (はな)(くし)
弾む心も 差し出した
実は色づけど いずこへ去った
忘れないで 薄紅の林檎(りんご)

いつの日か見た あの色も
いずれ目にする その色も
過ぎゆく時に (にじ)んでゆく
忘れないで 私よ私

滲む

滲む

作:中野弘貴

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-04-03

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