『オセロ』
君が望むような形の
愛でなかったことを
ここに告白します
『オセロ』
自己中心的に求めただけの
簡単なお遊びを続けて
許せないくらい情が満ちる
煮込んだジャムみたいな夜
アタシのものをどうしようが
アタシの勝手でしょう
傷つく君の目は見れないけれど
深く繋がりたいだけなの
例えなんて幾らでも思いつくけど
君の目や唇は例えようもないわ
この衝動を例える術を知らない
どんな言葉もたちまち無価値になる
だから君もアタシを上手く
褒めようなんて考えなくていい
その目で見つめてその唇を開いて
受け止めてくれればそれで
こういう時に冷めやすい脳を
自力であやして舌を絡める
粘膜だけは熱いから錯覚するの
この世に愛があるかもなんて
ねえ、でも何故ここに来て
君は余りに冷たい仕草で
アタシの腕を掴んだの
アタシのものの癖に何故
「君が望む愛なんてここには存在しない」
『オセロ』