『オセロ』

君が望むような形の
愛でなかったことを
ここに告白します


『オセロ』


自己中心的に求めただけの
簡単なお遊びを続けて
許せないくらい情が満ちる
煮込んだジャムみたいな夜

アタシのものをどうしようが
アタシの勝手でしょう
傷つく君の目は見れないけれど
深く繋がりたいだけなの

例えなんて幾らでも思いつくけど
君の目や唇は例えようもないわ
この衝動を例える術を知らない
どんな言葉もたちまち無価値になる

だから君もアタシを上手く
褒めようなんて考えなくていい
その目で見つめてその唇を開いて
受け止めてくれればそれで

こういう時に冷めやすい脳を
自力であやして舌を絡める
粘膜だけは熱いから錯覚するの
この世に愛があるかもなんて

ねえ、でも何故ここに来て
君は余りに冷たい仕草で
アタシの腕を掴んだの
アタシのものの癖に何故



「君が望む愛なんてここには存在しない」

『オセロ』

『オセロ』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-03-17

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