CASTLE 文集
まるで小さな小鳥のように
I
僕は、小さな小鳥を飼っている。
黄色で。
その小さな鳥の名前は、ちい。
男の子で、ちいさな羽をパタパタ羽ばたかせた。
疲れている、僕には、そのこが、癒し。
II
ある時、ちいが、僕の手のひらで、じっと僕を見た。
かわいい。
ずっと見ていて。
III
ちいは、僕に、ちゅん、ちゅんと声で歌った。
ちいは、暖かい、鳥籠の中で、じっと座っている。
IV
ちいは、パタパタと羽を羽ばたかせた。
嬉しそう。
ちいは、陽を浴びて、ずっと夢を見ていた。
僕と同じ夢を。
V
ちい。
今までありがとうね。
小さな鳥のように~解説~
青年の男の子が、ペットとして、小鳥を飼っている。その小鳥の名前はちい。かわいいひよこの雄の小鳥。
青年の男の子は、この小鳥を大事にしていて。寿命の短い小鳥は、男の子と一緒にはいられない。小鳥は、その死期を感じるように、眠気を誘った。もうすぐ死期が近い小鳥は、男の子に同じ夢を見せる。「ずっと一緒」にいたい。男の子と一緒に。やがて死期がきた小鳥は、安らかに眠る。
夢の内容
ちいという小鳥の、幸せな時間を過ごした。男の子との想い出。
男の子は、ちいを大事に抱いて。
最後、男の子、お墓に、ちいを埋める。
(比喩表現)で、「今までありがとうね」「お疲れ様」となっている。
~未来人の処方箋~
考えてみてよ
どうせ僕には時間がない。
I
あたしは、ずっと家族と一緒に暮らしたい。
あたしは、あと一週間で散ってしまう。花なの。
II
花が散ってしまう間、ずっとあの人と一緒に。
IV
双子の惑星がぶつかった。それは、月と太陽のように見えた。
双子の星に女の子、男の子が眠っていた。二人は、お互いの存在を知らずに、求めあっていた。双子の星は、いつまでも、自分たちを感じあい、どこにいるのか、察知していた。
繋がっている、糸を辿って、お互いがお互いを知覚していた。
V
二子の星がぶつかることは、あり得ないことだった。それは、愛し合った、恋人同士が、お互いの存在を消しあっているように見えた。
VI
「ボクのことすき?」
「あたしのこと、すき?」
「あたしあなたと、一緒にいたいの。」
「いつか、あおうね!!」
「うん!!」
~未来人の処方箋~解説~
花の寿命と男の子の寿命。花は、一週間、花を開かせると、一週間から、二週間で散ってしまう。男の子は、病気で、もうすぐ死期が近づく。その死を、知っている。
花と男の子は、巡り合う。
双子の惑星、太陽と月。
寿命が近い、存在同士、好き会う。
お互いは別の世界にすんでいるのに。
どっちか片方がいなくなると、「なにかを、失ったように、」「片方がいないように」「感じるの。」「感じるの、ぼく。」
「ぼくは、きみのことが大好きなの!!」
男のは、そう思っていた。
「片方」がいなくなると、寂しさから、逃れられない。
「どこ!!」
「どこなの!!」
「花ちゃん」
男の子が言った
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