『ガーデン』
貴方にとって
アタシが脅威であったように
アタシにとっても
貴方は脅威でしかなかったのです
『ガーデン』
つい口をついて出たのは
拒絶ではなく歓喜に似ていて
余りにも恥知らずなそれに
アタシは目眩を覚えたほど
苦し紛れの言い訳に過ぎない
言葉だけの拒否は
何だかもう白けるくらい
甘いものでした
貴方が愛でるから
アタシは欲張りになり
貴方が拒むから
アタシは貪欲になる
早く連れてって
何処だって付いてくから
貴方のためだったら
アタシ何にでもなるよ
娼婦でも殺人犯でも
好きに選んでください
貴方を悦ばせるために
アタシは生まれたのだから
いつもバルコニー越しに
確かめ合った決心を
真実にする為にはもう
手と手を取り合うしかない
その結末に向かう為なら
貴方も何にでもなってよ
二人に相応しいのは
土に塗れた愛と不道徳
「庭師の指にて絶頂へ」
『ガーデン』