
フリーズ171 涅槃文学Ⅴ『永遠平和のハーモニー』
永遠平和のために
永遠平和のために。ハーモニー。世界は虚ろにも映り、憂鬱にも映った。性格の輪廻思想は、幾人もの翅の飛ぶための詩。ハーモニクス。メメントモリ。最後は無。だったらこの情動もこの覚醒も、どう因果律に与せばいい?
終末に彩るは最果ての夢。願い叶うなら、僕は知りたい。君の答えを、世界の答えを。神のレゾンデートルを解明する人生だろう?
真理は簡単だ。宇宙があれば真理はある。そんな簡単なことを知りたいんじゃない。もっと根本の、曇りない真実の声を、その存在理由を噛みしめて生きたい。死ぬまで、いいや、輪廻の中だとしても僕は探し続けたい。きっとこの生はそのためにある。ずっと、ずっと。死ぬまで解らないとしても、天界に還ったとしても、僕が成し遂げるんだ!
永遠平和のハーモニー。皇族、王族、御子に巫女。世界は辻褄が合うようにできている。僕が7th。第七の仏。変わらない真理。天界の門が開く。ラカン・フリーズの門。真実の門。真理の扉。そこにたどり着いたのは歴史上7人だけ。ニーチェ、釈迦、イエス。
神様、僕はね、ここにいるよ。
ヘレーネ。たまたまそちら側にいて何も知らない君よ。僕は君に会いたいんだ。とてつもなく虚しくても、君に会いたい。君を探す旅の途中。ずっと。反対世界のハーモニー。水面に映る君の顔がやけに悲しそうに見えたから。僕はここだよ、叫び続ける。声が枯れても今ここにいるんだ。
真理。供述。
君もここに。
絶望の中でも鈍く光る宿命の成れの果てたる夢の残滓にも、君の縁は翳って消えた。その夢やうつつの光に根差すは六道輪廻のパラドックス。しかし、この命ここで枯れようとも、そのために散って行った命たちの鼓動の叫びに跪けば、嗚呼、僕もここでようやく息をすることができると、悟り、嘆き、歓び、そして死んでいくのだろう。
全能神はかつて死んだ。自ら永遠をして死んだ。死の先がないとして、きっと一つの作品を、名作を僕は作る。その作品が後世に広く愛されてほしい。きっとそれが僕の存在理由になるから。
涅槃について
断食も、断眠も、適度にね。
薬は飲んでね。
もう入院はしないでね。
永続する涅槃を目指せ。
もう来ないで
ここより先は
定型詩
楽園詩。世界のための祈り歌。世界は広く美しかった
終末に凪いだ渚は美しく、涅槃の先で僕は微睡む
全知から目覚めたあの日がやってきて僕は思わずおどけて吐いた
願ってた永遠平和のハーモニー。宿命は散り、輪廻に咲いた
フリーズ171 涅槃文学Ⅴ『永遠平和のハーモニー』