ヘヴン
私の悲しみはおまえには分からない、だからおまえが悪いだなんて言わない すべて私が悪いと奥歯を削りながら睨みつける様を見ていて、あなたを愛したいと思いながら触れようとする指先の震えを知らずにいて 足元に広がる血の海と歩き進めるたびに聞こえる骨が砕ける音 下に目を向けたら虚空を見つめる骸骨が転がっていて、眼球のない窪みの向こうには血が反射してうっすらと自分の泣いてる顔が映ってる でも目を拭ってみても涙なんて流れていなくて、その涙が私が踏み躙ってきたすべてなんだと気が付いた時には津波に足元をさらわれていた。
ヘヴン