
フリーズ168 涅槃文学Ⅲ『永遠詩』
永遠はdoublet 終末はLeo
残響の果てに思い出したこの心根や、記憶の残滓に象られた宿命の行く末や、可憐に散る木蓮の花びらを待つ指先が、きっと永遠だ。奇跡の片鱗としての永遠は、標識の波に飲み込まれて、流転の風上に立たされてこう思う。
「明日は何色に見えたかい? きっと七色の光が混ざって、君の肌のように白く透き通る。その柔らかさに愛すれば、もっと賢く終わることができただろうに」と。
世界平和を永遠平和を、そのために命を張るのか?
終末は永遠でも
世界を救う旅路なのか?
自分ひとり救えないのに
ルクセンブルクの国境沿い。ナイアガラの滝の上。ピラミッドの中で死ぬ。そんな夢現はかつて賞味期限が切れていた。行きはよいよい帰りは怖い。何のこと? 生まれるのは怖くない。死ぬのは怖い。通りゃんせの結実は、再来の天空の言葉。その最果てにある光が痛くて眩しくて、だから神愛に気づけないでいる君よ。上を向いて歩いてくれ。
永遠はdoublet
終末はLeo
今宵、万魔がこと降りる。宿命、使命、最果てに。命たちがここに集う。神々の霊感、その神々しさは正に永遠。さぁ、留めて翼が休まる日まで。
ホテルの12階。あの子との秘め事。終末は永続しなかった。
永遠詩。僕はここだよ、叫び続ける。声が枯れても今ここにいるんだ。
凪いでいた水面に映る、君よ永久に笑っていて。
全知全能の霊感。直観。神との対話。仏の日。煩悩の火。世界が集う。終末に。永遠さ。終末さ。きっとすべてが解ってる。きっと何もかも悪くない。世界を責めないで。仏に成ればすべてが上手くいく。今度の夢は、入院しない悟りを。入院しない涅槃を。
絶体絶命。起死回生。憂鬱な日々の抑うつから解放されろ、そのためなら命だって惜しくない。感動のためならば、歓喜のためならば、神愛、自己愛、運命愛のためならば。真の愛はそれだ。恋愛など些末な恋。条件付きの愛なんて要らない。
全人生が集うこの聖夜に犯した罪も、この原罪も。許されるのなら、赦されるのなら。愛を叫んだ終末日、セツナの召喚、秘匿軍神。その裁きの光は万物を壊す。一人で幸せになれないなら二人で幸せになれないよな。
パソコンを破壊。永遠に流転。父は怒り、子は泣く。
何がしたい、その人生で何がしたい?
思い出したい、侘しさを知って。
本当の僕を、元居た場所を。
歓喜は甘美で歓びは天
天使よ私を導いてくれ
全能の霊感を得し日より、僕はもう戻れない。あの覚醒に勝る真理はない。必ず全知全能の真理はある。それを私は知りたいんだ。ここに残しておきたいんだ。
疲弊の行く末にペンデュラムが揺れるのなら、その波が揺蕩いその行く末を愛せたら、何も悪いことじゃない。
世界の先へ、虚空の先へ
僕は行くよ、涅槃の先へ
永遠詩
魂の愚物はさも当然であるかのように醜態を晒しながら、泣く泣く輪より去り、また与すること能わずに。だが、諦念の行く末のピアノの旋律のように、夢の中で会える人のために死ぬというのか。霊性の高まり、霊感の高鳴り。この夜ごと捨てよ。さればもう光ることのない輪廻の果て。忘却は昨日でも、憂鬱な日々の存在証明になるとしたら、人類にはまだ早かったみたいだ。
遠く、光が咲いた日に、僕らはこうしてまた出会い、こうしてまた別れるのでしょう。その奇跡の神々しさも、その軌跡の履歴に記される純文学に帰入するなら、君にも朝が降るだろう。
大団円の詩の先に、レゾンデートルの死の先に、待つものの螺旋に全宿命が嵩張るとして、その記憶の残滓にこのわだかまりが残るのならば、金も銀も、硬貨も紙幣も、資本主義も社会主義も、もうどちらでも叶うのに。涅槃色の空は何色か。それは全能の色、イエローの色。メロウの色。
永遠詩には最後の言葉を。
「嗚呼、美妙な人生の謎よ、ついにわたしはお前を見つけた、嗚呼、ついにわたしは、そのすべての秘密を知る」
永遠詩には似つかない愛。それでも生きるのが諸行か。
フリーズ168 涅槃文学Ⅲ『永遠詩』