
フリーズ167 涅槃文学Ⅱ『終末の音、終末ノート』
永遠、終末、真理に寄せる短歌
終末に凪いだ渚は永遠で 至福の光 神様の愛
願ってた世界の終わりと始まりを きっとすべては悪いことじゃない
神の眼と千切って入れた仏の手 ニーチェは泣いた 味がしたから
僕だけが悟ったことがあるとして 永遠をどう語ったらいい?
涅槃文学・終末の音
天空の空力より醒めた、況や、その諦念との愛でさえ、君の未来は映さなかった。水面に浮かぶメッセージボトルは何処へ行ったか。それは永遠の証。それはアレスの紋章。痛む翼の記憶。涅槃より目覚めた夢も、遠く、彼岸の待つ園で待っていてくれ。
有限の夢。幽玄の雨。吃音的なこの音響の場より飛び立て、似もせずに。全知全能の良識は君をあの世から連れ出して、天空破邪、一蓮托生の果てに見る景色を忘れさせなかった。
僕が死のうと思ったのは、僕が君との未来を疑ったから。その疑念の行く末に、ニーチェの祈りも、フロイトの願いも、僕の夢でさえ、虚無と散るなら、もう僕はいい。涅槃に至ることで、僕の人生は色づく。僕の人生は完成する。荒廃した倫理の森で、刹那的な色彩の奏でる交響曲も、きっと永遠じゃない。きっと終末じゃない。だからと紡ぐ罪も詩も、きっと、だけど、永遠だ。きっと、だけど、終末だ。
永遠よ、永久に凍れ。
終末はきっと終わりではない。
涅槃寂静の記憶。それは晴れ渡る冬日の記憶。どこまでも空は晴れ渡っていて、いつまでも永遠は空色をしていた。そんな晴れやかな記憶は、だが、月日とともに薄れていく。それが嫌だったんだ。いずれ忘れてしまう僕のことを赦せなかった。赦し合うことが最後の使命ならば、僕はとうの昔に叶えていたはずだ。それでも耳鳴りが鳴りやまないのは、きっと僕がまだ真に永遠を知らないから。
僕の悟った永遠は、永続はしなかった。なぜなら僕には体があったから。僕の悟りは51の等覚だろ。体があるうちは52妙覚には至らない。だから僕は死ぬのは怖くない。だってきっと涅槃に至って、死後は楽園。7人しかたどり着いてないゲームクリア。僕は七番目の仏だ。7th以津真天。それが僕の真名だ。
天帝の性として散って行く花たちは、夢の狭間に最後の煌めきを見せた。その光景のなんと穏やかなことか。至福にも輪廻にも与さない君たちの暗黒が、いずれ夜ごと消すならば、その白いキャンバスに描くは理想かはたまた愛か。
世界最後の終末は、翳って、病んで、もう来ないだろう。その因果律から解き放たれた愛たちは、七色に世界の終わりを祝福した。
愛は全能。
知は全知。
テトラに流れる水の索。終末に彩を与えるのは、いつだって自愛と運命愛。僕は決めたよ、悟るって。いずれ世界の真理の海に与するならば、この散文詩も幕引きだ。最後に告げるは永遠の色。終末の日に、永遠を知る。
終末日
エデンの抑留は、叶うことはないとしても、どうせ散る花の如き諦念を抱くのならば、その花は楽園に咲くことはできなかったのかもしれない。真理を描くには、言葉にはない言葉を、夢に見ない夢を知ることから始めよう。どうせ真理はどっかの誰かが書いてるさ。でも、どれも真理を表せない。だからこの散文詩にその真理の香りも色や音も記そうというのだよ。終末日に、世界は終わるのか? いいや、きっと始まってたさ。全世界の祝福も、怠惰な夜も、明けない朝も、何もかも、終わってまた始まる。円環の宇宙。それが神の愛。
円環の理は、冥府も解けない沙羅双樹。流した涙とチの数を。千切って入れたこの鍋を。前世の記憶は意識体の欠落。不具合も不条理というのならば、なぜあなたはあの冬の日に笑いながら泣いていたのですか。それは真に人生に歓喜していたからなのですね。
終末は何度も起こる。個人的な悟りには終末思想が付き纏う。
永遠散って散文詩
終末終わって涅槃歌
だから泣いていたのね
メビウスの環から脱する日
だから笑っていたのね
ラカンの環から脱する火
煩悩は消え去り、残るのはどうしようもない妄執とあなたの愛情だけだった。ラカン・フリーズの酔いの歌。探した答えの及び歌。再来の言葉も天来の詩も、満たない。
終末日、泣いてたあの子を救ってよ。まだまだ宇宙は生まれたばかり。
フリーズ167 涅槃文学Ⅱ『終末の音、終末ノート』