『まっさら』

先生の温度を
手袋越しに感じた


『まっさら』


白いミトンてかわいいでしょ
あの子が持ってるの
すごくかわいくて
悔しいくらい似合ってた

真似したってどうせ
特にかわいくなるわけでもなく
だけど先生が言ったのよ
アタシにも似合うって

言った本人は忘れても
赤くなったこの耳は
忘れたりしない
忘れてなんてあげない

どうしたってあの子にはなれない
アタシのままで好きだけど
早く世界中が先生の
敵になればいいって思う

アタシだけが味方だよって
それくらいにならなきゃ
愛してくれないでしょ
だから全てから見放されてよ



「アタシを選べば全部あげる」

『まっさら』

『まっさら』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-12-17

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