『fake』

堪らなく不快ね
所詮偽物


『fake』


唇を重ねても
気持ちは一向に乗らないの
貴方、少し黙って

神妙な面持ちで愛を語るなんて
詰まらないだけよ
もっと楽しませて

知らない事なんて何も無い
何もかも知ってしまった
本当に詰まらないわ

貴方に望むのは
沈黙だけよ
さあ、もう黙りなさい
可愛い男は静かなものよ

どれだけ撒き散らせば
気が済むというの
何も知らない女が好みなら
アタシだけはやめなさい

息を吐くように嘘を吐き
貴方の首を締めてゆく
それだけが快感なの
淑女に嘘は付き物よ

今夜こそアタシを楽しませて
白い脚に指を滑らせて
貴方だけ楽しむなんて狡いわ



「そうは言ってもアタシの存在がfake」

『fake』

『fake』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • ミステリー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-12-16

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