『fake』
堪らなく不快ね
所詮偽物
『fake』
唇を重ねても
気持ちは一向に乗らないの
貴方、少し黙って
神妙な面持ちで愛を語るなんて
詰まらないだけよ
もっと楽しませて
知らない事なんて何も無い
何もかも知ってしまった
本当に詰まらないわ
貴方に望むのは
沈黙だけよ
さあ、もう黙りなさい
可愛い男は静かなものよ
どれだけ撒き散らせば
気が済むというの
何も知らない女が好みなら
アタシだけはやめなさい
息を吐くように嘘を吐き
貴方の首を締めてゆく
それだけが快感なの
淑女に嘘は付き物よ
今夜こそアタシを楽しませて
白い脚に指を滑らせて
貴方だけ楽しむなんて狡いわ
「そうは言ってもアタシの存在がfake」
『fake』