『ユダ』
完全なる裏切りで
一匙の不幸を彩った
許されざる貴方の名は
『ユダ』
最初からこうなると知ってたら
深みにハマる前に飛び退いてた
優しげに冷たげにまるで理想
そんな顔で近づいてくるなんて
あの時アタシが犯した罪を
貴方は軽く肩代わりして
何処までも深い瞳で静かに
気にしないよう言いつけた
神様みたいな人だと思っても
仕方ないくらいの何かを
確かにその身に宿していた
全て幻だったと知った今も尚
心の半分で軽蔑してるのに
半分は愛したまま止まってる
貴方に愛されたいと叫んでる
そんな自分に失望しながら
その本を開いたりしないで
嫌なことしか書いてないから
傷つく貴方を見たくないなんて
呆れるけど本心でしかない
アタシはスカートを捲って
不道徳ですと顔に書いて
何もかも失った貴方に
ちゃんと見つけて貰えるように
大切なものは壊れやすいから
大切なものになんてならない
安心して傷つけていいんだよ
ただ貴方と同じになりたいだけ
「この胸に飾るからどうか見つけて」
『ユダ』