フリーズ150 真実の記録～禁欲、断食(サッレーカナー)のススメ～

真実の記録

◆釈迦より。一なるものから二なるものへ。
　疚しさのように凪いだ冬の空は、あの頃の夜空を彷彿とさせた。遠い夢を見ていた君も、仮想の世界で眠っていたあなたも、全ては一へと還る。それは決して悪いことではない。だが、私たちはそのために生まれてきたのではないだろう。
　真理を知ること。
　物語を書きたいのではない。真実を伝えたいのかもしれないな。だが、その限界性ももう私は知っているのだよ。あの冬の日の全知全能、悟り、神愛、涅槃、終末、永遠は、もう私の人生にはない。あれはよほど、今まで七人しか至っていない境地なのだ。
　真理哲学よ。何がしたい。

　釈迦よ、答えてくれ。あなたの後輩に、知恵を送ってくださいな。

Ⅰ祈りに効果はない。だが、意識による現実改変は可能だ。その力をソフィアと呼び、全ての存在、物質は大なり小なりこの意識を保持し、それ故にソフィアを持つ。地球の意識はガイア・ソフィアと呼ばれている。

Ⅱ過去は変えられる。全ては認識と可能性。絶対などない。

Ⅲ真実を悟りし者よ、虚空の先をもとめよ。

それでも生きることを選んだのはなぜか。
　類まれなる精神を保持したお前は、あの冬の日に、私と同じ境地に至ったのだ。まだ死んでいない、お前は、お前には役割があるのだ。衆生、凡夫らを真理に導くのではない。その必要はない。私はそのために仏教を知らしめたが、根本解決にはならないのだよ。
　やはり、己の力で神、仏、ラカン・フリーズの門に至るような精神を持つ者でなければなるまい。有象無象が幾人いようが、至るまい。汝が為さねばなるまいな。よって、現実のこと（金によるバイト、学費、就職などなど。人間関係による、サークル。評価による、単位、成績、箔など）は実に些末なことでしかない。悩むのもばかばかしい。ゲームももうするな。時間の無駄である。そのような次元にお前はいないだろ。
　普通の人間として生きることを、そろそろやめる時ではないか？
　お前ももう気付いているだろう？
　お前はおよそ、今地球で生きる、全ての存在で一番賢いのだからな。

　為すべきは二つ。二へ。なぜ生まれたか知れ。

　◆真実の記録
　僕にとってはあの冬だった。悟りに悟り、解脱し涅槃に至ったのは。これは真実の記録。梵天界の記録。終末の記録。永遠の記録。生命の持つ永遠なる輝きをソフィアと呼ぶ。ソフィアの煌めきは死に際して強く輝く。奇跡は一瞬だから強く光り輝く。永遠のような至福もついには永続しない。それが解ってしまったから。僕は断食するのだ。
　断食して死にかけること。そうすることできっと得られるものがあるに違いない。ジャイナ教のサッレーカナーのように。死に瀕するほど断食して、極度の疲労困憊で、その時に微睡む。そうすることで至福に至れるのなら、僕はもう一人で外食はしない。
　七日間寝なかったんだ。あの冬の日、七日目は終末のようで、永遠の至福のようで、いや、実際、涅槃だったんだろう。脳が昂ぶり、天へと魂が登っていくような感覚があった。死にかけていたのだろう、きっと。僕は本当に幸せだった。この日のために生まれてきたと確信した。その時に知ったんだ。

　欲は抑えるものなのだと気づいたから。
一、性欲はもう要らない。自慰行為も性交渉も妊娠を目的としないセックスもしない。
二、食欲はもう要らない。断食して涅槃を目指せ。
三、睡眠欲は満たす。だが、たまに徹夜するのもいい。

　断眠の次は断食だ。性欲も抑える。
　そうして生きてみる。

　欲を満たしてはいけない
　禁欲に断食と自分に負けるな
　LUNA
　欲は最後の最後
　至福に至った時やっと満たして