『青い鳥』

『青い鳥』

この世で一番不幸になれば
愛されるような気がしてた


『青い鳥』


ダイヤモンドの指輪を日に翳して
今日も愛されていることに安堵
いつ取り上げられるか分からない
こういう幸せはみんな欲しがるから

誰より狡くて性悪と言われれば
確かにそうかもとしか思えない
少なくともあの子よりは卑怯に
手段を選ばなかったこの手

可愛い駒鳥を殺したのは誰か
決して追求したりしないで
根源的な秘密は秘密のまま
ひっそりと土に埋めるべきよ

暴いたところで誰も幸せには
なれないって知っているでしょ
アタシは確かにヴィランだけど
それは君には関係ないこと

そう君の幸せの為でもある
知らなければ笑えるし
知ってしまえば後は落ちるだけ
落ちてから気づくのは悲しいわ

どうせ君はアタシの不幸に
いちいち驚いたり悲しんだりして
何が足りないかを延々探すから
いつだって少し足りない振り

満たされてしまえば興味も
関心もきっと失ってしまう
こんなアタシが好きなのね
それが不幸として蓄積される



「青い鳥は手に入らないから尊いの」

『青い鳥』

『青い鳥』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • サスペンス
  • ミステリー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-09-02

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