土砂降りの雨
それを
前の人は、誰かの涙だという
隣りの人は、綺麗に洗い流すものだという
後ろの人は、雨粒を浴びながら誰かを思う

土砂降りの雨の中
誰も動かない
前の人は、雨の日は寂しくなるという
隣の人は、雨の音が心地よいという
後ろの人は、雨の空を見上げる

土砂降りの雨の後
虹がかかる
前の人は、誰かからのプレゼントだという
隣りの人は、誰かへのプレゼントだという
後ろの人は、虹の先の世界を見る
それぞれが誰かを思い浮かべる
そして
その虹もいずれ消える

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-08-11

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