ロボットロマン in ファンタジー超外伝

カラクリ繰り

ロボットロマン in ファンタジーの外伝になりますのでご注意ください。
まぁ本編とは殆ど関係ありませんが…。

ロボットロマン開発秘話


某年師走…某居酒屋にて……。それは、始まった。
「今年もいろいろ大変でしたが…無事今年も忘年会に漕ぎ着ける事ができました。お疲れ様でした~。カンパーイ!」
「「「カンパーイ!」」」
安物のジョッキ同士がぶつかり合い、澄んだ音を鳴らす。そして、男達がジョッキに注がれたビールを飲む。
「っく~うめぇ!ほんっと今年は大変だったな~」
「ゲフッ。そうですね~社長。なんせ、MMOの下請けが3件もありましたからねぇ。
 まったく発注元の連中はいつも無茶言いますからね」
「'やれあれが気に入らない、これが気に入らない、
 ああ、ちょっと思いついたんで、仕様を変更してほしいが所があるんですけど…なに大丈夫ですよ。
 ほんのちょっと変更してもらうだけですから'
 …その変更が一体どれだけ大変だと思ってやがんだ畜生め!
 おかげでシステムの大本に手を入れることになったってんだ!」
愚痴った男がダンとジョッキをおつまみが並ぶテーブルに叩きつける。
「まぁまぁ斉藤さん。もう終わった事ですから、ささもう一杯。鈴木君も飲め」
「うっ。うす」
彼らはポンコツ・ロボット・システムズという従業員40人弱という小さなプログラム開発会社の社長とその社員達だ。
今彼らは四人しか居ないが、ほとんどの社員が飲み会嫌いなのと、とある戦場へと赴いている為、彼らだけ。
そして全世界の極一部のオタク達が狂喜乱舞するソフト'ロボットロマン'を開発する事になる中心人物達だ。

毎年恒例である愚痴り大会と化した忘年会。そこで社長が思い出したかのように切り出した。
「そうだ。君達に重大発表がある。ようやく私達の夢を実現に移せるだけの資金が集まったぞ」
「マジッすか!」
「ようやくか…」
「なっ長かった」
突然の社長の発表に、部下たちは驚きつつも喜んだ。
「ああ、そうだ。やっと私達が本当に作りたかったゲーム…いや、世界を作れるんだ!」
先程のすれた様な雰囲気は吹き飛び、彼らはこれから作るであろうゲームへの希望を心行くまで語り合った。

 そして、年が明け仕事始めの日となった。
「社長!何ですかこれは!?」
バンッと音を立てて社長室(社長室と言ってもパーテーションで区切ってちょっと良い椅子と机を並べただけの部屋)の扉が開かれた。
開いたのは、飲み会で愚痴っていた斉藤のグラスにビールを注いでいた田中という男。
中肉中背茶髪で特徴が無いのが特徴と言う某量産型M○と同じ評価をいただく、少し可愛そうな32歳だ。
一方社長と呼ばれた男性は黒い髪にスーツをびしっと着こなしたナイスミドルなのだが、
まとっている雰囲気がとても子供っぽい45歳だ。
「ん?何って私達のゲームの仕様書に決まってるだろう」
のんびりと大きなデスクで仕事をしている社長が答える。
「ですが、これじゃあ…」
田中が目を移す。
「いやぁ。去年の忘年会で皆良いアイディアを出してくれたからね。忘れないうちにと思って家で書いてきたんだ。
 子供そっちのけで書いたからね。女房にこってりと絞られたよ。はははっ」
仕様書には荒唐無稽と言われても仕方がない様な無茶が書いてあった。
「しかし、アクションでありFPSでありTPS、そこまではまだしも、ターン制戦略シミュレーションであり、
 リアルタイム戦略シミュレーションでもある!?一体あんたは何のゲームを作りたいんですか!?しかもMMOで!?」
普通にゲームを作るならメインになるゲームジャンル(FPSにするかRPGにするとか)を選び、
それを軸として独自のゲームシステムを作っていく。
特にMMOとなれば長い時間プレイヤーをシステムで縛る事になるので、
下手なシステムだとすぐにプレイヤーが居なくなってしまう。
その為運営会社はメインのゲームシステムに関しては議論を重ねに重ねて作っていくのである。
それなのに社長は、何それ食べられるの?張りに無視している。
「もちろん最高のロボットゲームを作りたいだけさ」
「なら!ジャンルをどれかに絞ってください!これじゃ碌なゲームになりませんよ!」
「大丈夫大丈夫!何とかなるって!じゃなきゃ私が何とかするから」
「またそれですか…」
ポンコツ・ロボット・システムズ社長の名台詞ならぬ冥台詞'何とかなるって!ならなきゃ私が何とかするから'が出た。
社長がこの台詞を言うと、どんな絶望的な案件でも最終的には社長が何とかしてしまうのだ。
もちろん何とかなる前は'地獄の行軍歌(デスマーチ)'だ。
ちなみに、ここの社長は社内がデスマーチ化すると景気付けにとレッドショル○ーマーチを社内に流したがる悪癖がある。
特に会社設立時からいる田中、斉藤、鈴木は、この曲がトラウマ化しており、流すと「「「その曲を止めろぉぉ」」」とリアルキ○コと化すのは余談だ。
「わかりました。じゃあ何とかしてくださいね。私は、取引先に行って、
 'これからはあまり仕事を受けれない'って説明してきます」
「ああ、ちょっと待って。'これからはあまり仕事を受けれない'じゃない」
「えっ?」
「'今後うちは、ゲーム開発に没頭するので新規のお仕事はお受けできません'って言っておいてくれ」
「はっ?」
この時、田中は思った。このゲームは、文字通り社の命運をかけたソフトになると……。
と同時にこの会社に来たの失敗したかもしれないと……。


 社運を掛けたゲーム開発が始まって1年がたった。
未だロボットロマンの名を与えられていないゲームは、まだ形を成しておらず基礎部分の開発を行っている段階だ。
しかし、ここで思いもよらない問題が発生した。
「…どうしましょう。社長また我が社の社員がヘッドハンティングされてしまいました。
 アレの開発に遅れが出てきています」
「…なんでだろうねぇ。うちも短くないと言える程度にはこの業界で商売しているけど、
 短期間に何人も引き抜かれるってなかったんだけどなぁ」
40人居た社員はすでに30人弱まで減っている。
これには、彼らが知らない原因があった。彼らの会社は、オンラインゲーム業界では結構有名な会社だったのだ。
彼らの作るプログラムは仕様変更やメンテナンスがしやすいと評判であり、しかも微に入り細を穿つが如く、
色々なツール(テストデータを作ったりする、ゲームには含まれないプログラム)まで作って提供してくれるのだ。
とある3Dオンラインゲームの案件では、テストに仕様するキャラが味気ないなぁと思った斉藤&鈴木が、
キャラ自動生成プログラムを作ったのだが、生成されたキャラが可愛過ぎてゲームでイベントキャラに採用。
未だに人気イベントキャラランキングでトップ3から落ちた事がないという逸話まである。
ポンコツ・ロボット・システムズと取引していた運営会社達は焦った。
彼らの中では新作オンラインゲーム開発にポンコツ・ロボット・システムズが参加するのが決定していたのだ。
そんな時に突然ポンコツロボットシステムズが新規の取引を停止した為、開発スケジュールに大幅に遅れが出た。
運営会社達は代替企業を探したがポンコツ・ロボット・システムズ程の企業を見つけられなかったのだ。
そこで運営会社達は、ポンコツロボットシステムズの社員達を片っ端からヘッドハンティングして、
その技術を我が物にしようとした。それがこの人員不足の原因だ。
「しかし、見事にコミュ障と言うか人間嫌いの連中が残ったな」
「そうですね社長。彼らはすでにここに居場所を作っていますから、
 また新たな場所で居場所を作るのが面倒だったのでしょうね。
 ヘッドハンティングした連中もビックリしてるんじゃないですかね。
 うちのプログラムの決め細やかさの根源は'人に話しかけられるのが嫌だから、
 文句言われないように完璧以上の物を作る'なんて夢にも思ってないでしょうね」
わざわざ、'人に話しかけられないプログラムの考え方マニュアル'を作って社内に置いてあるなんて、
別の会社では考えられないだろう。ちなみにそのマニュアルは社員に聖書として敬われている。
「だが、人手不足になったのは辛いな。
 新たに人を雇うにしても、うちの空気は独特だから順応性の高い人がいいんだけど…」
「とりあえず、人材派遣会社や転職サイトとかに連絡しておきます。社長」
「ああ、頼む」


「斉藤さ~ん。なんか人減ったっすね~」
何時もよりがらんとしたオフィスをぼーっと眺めつつ鈴木が零す。
鈴木はヒョロリとした体系で黒い長い髪を後ろで縛っているのが特徴の29歳だ。
鈴木の問いに隣のデスクに座っている少し太めの体系の男が答えた。
「ん~。そうだなぁ~。なんかアレの開発が始まってから特にひどいな」
斉藤はキーボードを叩いてた指を休め、肩を回しながら隣に座っている鈴木の方を向いた。
この男は、以前は大手のシステム開発会社に勤めていたがロボットゲームが作りたいと思い、
ちょうどゲーム会社を立ち上げようとした社長に出会って転職した50歳だ。
「きっと運営会社の連中が'下請けの分際でMMO開発なんて生意気だ!'って言ってきっと邪魔してるんすよ。
 あいつら汚ねぇっすから……」
「ははは、それは考えすぎじゃないか?なにせうちの主力は全員残ってるんだよ。ありえないよ」
「それは、俺達が普通じゃないからっす。今から別の会社に行ってまた人間関係構築しろってどんな拷問っすか」
「そうなのかい?」
「そおっす。斉藤さんの作ったあのマニュアルが無ければ、ここで働いていたかも怪しいっす」
「あれは、元々自分の為に作っていたものだよ。まぁ、ああいうタイトルでは無かったがね。
 それにしても君には悪いことをしたね」
「何がっすか?」
「だって君は元々グラフィッカーじゃないか。けどうちの事情でプログラマーをさせているのが申し訳なくてな」
「ああ、その事っすか。問題無いっすよ。もちろん自分はグラフィッカーだと思ってるっす。
 けど、プログラムの仕事もどんなモデリングしたら使いやすいかって勉強になったっす。
 それに……」
「それに?」
「ようやくアレのモデリングが開始されるじゃないっすか!楽しみで楽しみで!
 寝る前にちょっとラフでも書こうと思って書いていたら朝になってたって事もあったっす」
「それは君、ちゃんと寝なさい。この仕事は体が資本だ」
鈴木が恥ずかしそうに頭を掻くと、仕事に戻った。
今彼らがやっている仕事は、ポンコツ・ロボット・システムズが受けた最後の下請け仕事だ。
斉藤は気合を入れると、再びキーボードを叩き始めた。


 社運を掛けたゲーム開発が始まって3年がたった時、ゲーム開発は暗礁に乗り上げていた。
今日も今日とて日曜なのに社員全員出社している。
「社長…どうしましょうか?」
「さすがにここまで時間が掛かるとは私も思わなかったよ」
原因は言わずとも知れたものだが、あの仕様書だ。
あまりにも無節操にゲームシステムを取り込んだ為、開発規模が膨れ上がったのだ。
何とか、ゲームの基礎となる部分は出来たのだが、肝心のストーリーというかクエスト関連の開発がまだ一切出来ていないのだ。
そうこの時点ではロボットロマンはまだ、普通のMMOゲームと同じで、ストーリーやクエストを開発会社で用意しようとしていた。
「では今からでも、内容を削りますか?今ならまだ間に合うと思いますが?」
「…いや、皆が頑張って作った物だ。それだけはしたくない」
「しかし、わが社もそろそろ限界です。本当に作りたいゲームはまた今度にしましょうよ?
 たとえゲームが出来たとしても、社が無くなってはどうしようもありませんよ」
「…もうちょっと考えさせてくれ」
「わかりました。それでは失礼します」
社長は田中が部屋から出るのを見ると大きく息を吐いた。
(さすがに今回は無理が祟ったかな)
特に社員の引抜きが地味に効いていた。主力となるメンバーが残っていたとしても、圧倒的作業量の前では、焼け石に水だった。
(けど皆頑張ってる。皆が進んでサービス残業してくれている。その一部分でも切り捨てるは嫌だなぁ)
本来なら非情でも仕様を変更して、作業の軽量化を図るべき事態だ。しかし、社長はその判断が下せないでいた。
(本当。どうしようかなぁ)
社長は、そのまま深い思考の海へと潜って行った。

 トントンと社長室の扉がノックされ
「社長。息子さんが来ましたよ」
「ん?おっそうか。今行く」
社長が部屋から出ると応接室に向かう。
「お父さん!!」
社長が応接室に入るとソファに座っていた社長の息子が社長に抱きついた。
「おー良く来たな!甲児」
某ロボットパイロットと同じ名前を持つ息子の頭を撫でながら、社長が笑う。
「それで今日は何のよう出来たんだ?」
「あー!お父さん約束忘れてるー!僕が'お父さんの職場をお話を聞こう'って宿題が出たって言ったら、
 お父さんが見に来いって言ったじゃないが」
「おーそうかそうだったか、すまん。じゃちょっと見てくか!
 でも静かにするんだぞ?皆一生懸命働いているからな?」
「はーい!」
社長は息子の甲児と手を繋ぎ、応接室から出て行った。

「えっちょっ!あの子なんなんすか?」
「ん?ああ、鈴木君はまだ会ったこの無かったか。あれが社長の息子さんだ。甲児君って言うそうだよ」
「それはまた…」
鈴木は脳裏に某ロボットパイロットを描く。
ちなみに田中、斉藤、鈴木は結婚していない。
この三人は、ある取引先との打ち上げの時、渋々連れて行かれたキャバクラでキャバ嬢に「三人は結婚しないの?」と聞かれ、
声を揃えて
「「「俺(私)の嫁は」」」
「フェ○・イェンです」
「ミネ○バX!」
「まっま○ろさんっす」
と答え、周囲にドン引きされた事もある程の猛者だ。

「うはっショタだ!ショタキター!」
「おっ落ち着くでござる。殿のご子息なので若と呼ぶでござる!」
「うはっおk!」
オフィスのそこかしこで交わされる業の深い会話が斉藤と鈴木の耳に入る。
「…なぁ、ここのオフィスって絶対社会見学に向いてないよな」
「そおっすねぇ」
鈴木が見慣れたオフィスを見回すと、まるで玩具とアニメの博物館かと見紛うばかりの光景が目に入る。
壁には、アニメのポスターが幾つも貼られ、おのおののPCの周りには当然のようにフィギュアが並んでいる。
しかも各人趣味が微妙に違うので机ごとにちょっとしたジオラマの様相と呈している。
もちろん、斉藤も鈴木も自分の好きなキャラのプラモデルやら、
フィギュアを机やディスプレイの上に並べているので人の事は言えない。
甲児君も物珍しそうに周囲をきょろきょろしている。
「お~い、鈴木君!ちょっと!」
「はい、なんすか社長?」
鈴木が席を立ち、社長の方へ歩いていく。
「いや~悪いんだけどね。ちょっと息子の面倒を見ててくれないかね?
 なんか前の取引先のお偉いさんから電話が入ったようなのでね。ちょっと出てくる」
「いいっすよ。…甲児君、俺は鈴木って言うっす。よろしくっす」
「よろしく!鈴木のおじさん!」
「おっおじっ!そおっすか。俺ももうそんな年っすか。
 まだウィザードにはなってないんだけどなぁ…はは…はぁ」
地味に傷ついている鈴木に構わず甲児は、またキョロキョロしている。
「ねぇねぇここではどんな仕事をしているの?」
「ん?ああ、ここではゲームを作っているっす」
「ゲームってどんな?」
「んー。まだ名前は無いんすけどロボットが戦うゲームっす」
鈴木がそういうと甲児君は目を輝かせて質問する。
「じゃあ!メガキンググライオンが出てくるの!?」
メガキンググライオンとは、現在日曜朝に絶賛放映中の激獣戦隊ガブレンジャーに出てくるの合体ロボの事だ。
もちろんオタである鈴木も知っている。
「いや、メガキンググライオンは残念ながら出てこないんすよ」
「え~なんで~?出そうよ!メガキンググライオンはかっこいいんだよ!」
「いや、まぁ、その版権とかがあってっすね」
ゲームに好きなロボットを出したくても出せない切ない事情である。
「版権ってなーに?何で出せないの?ねーなんでー?」
甲児君はそんな事お構いなしに'なんで'を繰り返す。
対応に困った鈴木は周りを見回して誰か助けてくれそうな人間を探すが、誰も目を合わせてくれない。
(みんなひどいっす!ならば最終手段っす)
「そうだ!甲児君。今俺達が開発してるゲームでちょっとだけ遊んでみないっすか?」
秘儀'話をそらす'。
「えっ!本当?いいの?」
「甲児君だけの特別っすよ!さっこっちに来るっす」
鈴木は、予備の椅子を持って自分の席に向かう。甲児君はその後ろをトコトコと付いて行った。


「いえ…ですから…その話は…いえ結構です。では……。…ふざけるなっ!クソッタレめ!」
オフィスに社長の怒鳴り声と受話器を叩きつける音がオフィスに響く。
その音に驚いた社員達は、時が止まったように固まった。
「どっどうしたんですか社長!そんなに声を荒げて!」
しばらくそのまま無音の状態が続いたが一早く復帰した田中が社長室に飛び込んだ。
「すまない。先方があまりにもふざけた事を抜かしたもんで、つい」
「たしか、電話の相手はうちのお得意様の……」
「ああ、フューリアだ」
'フューリア'MMO業界最大手と言っても良い運営会社だ。
ポンコツ・ロボット・システムズのお得意様だが、態度が悪い、とにかくイチャモンつけると社の人間には最悪の評判だった。
ただ金払いだけは良く、なかなか縁の切れなかった会社である。
ゲーム開発により、新規で仕事を受けないと発表した時は、飲み会嫌いの社員達が祝賀会をするほど喜んだものだ。
「フューリアがなんと?」
「最初は、俺達の開発しているゲームの手伝いをしたいって言ってきたんだが、その条件を聞いてみると話しにならん。
 手伝ってやるからソースコードをフューリアに公開しろだと!
 ふざけやがって!」
社長は振り上げた拳を机に叩きつける。
ソースコードとは、コンピュータに対する一連の命令群の事だ。
簡単に言うとゲームの中で何をやっているかすべて書かれている秘伝の書、虎の巻だと思ってほしい。
それをフューリアに公開するという事は、フューリアに今までの苦労をすべてパクられるのと同義。
開発しているゲームは別ジャンルを無節操に取り込んだものなので、
そのソースコードをパクってジャンル別にソースコードを分け、自社で用意した素材で外枠(ステージやキャラ、ストーリー)を作れば簡単に別のゲームが出来てしまうのだ。
そんな事されたらポンコツ・ロボット・システムズにとって悪夢だ。
許せる事ではない。
「それは…。しかし、人手が足りないのは事実です。
 このままの状態が続けば、マスターアップに間に合わない」
「……」
「ねぇお父さん……怒ってる?」
そこに社長室の扉から覗き込む様にしていた甲児が少し怯えた様に声をかけた。
「ああ、すまん。おどろかせてしまったね。お父さんは怒ってないよ」
「でもお仕事大変なんでしょ?僕、お父さんのお仕事手伝うよ!!」
それを聞いたオフィスの面々が'ええ子や'と涙を流している。結構気持ち悪い。
「いや、甲児、そう言ってくれるのはありがたいが、甲児が出来る仕事は無いよ」
「できるもん!」甲児はそう言うと社長の袖を掴み何処かへ引っ張っていく。
連れて来たのは、鈴木のデスクだ。甲児はデスクに置いてあるディスプレイを指差して言った。
「僕だってロボット作れるよ!それに武器だって!」
ディスプレイに映っているのは、ロボットロマン目玉のシステムの一つロボット創造システムの画面だ。
そしてそこに作られているロボットはメガキンググライオンだった。
もちろん造形は甘くコレジャナイ感が漂う出来だったが、メガキンググライオンの特徴を良く捉えたロボットだった。
その光景にほんわかする一同だが、社長だけが異様に真剣な表情でそれを見ていた。
次の瞬間社長は「これだっ!」っと叫んだ。
「そうだ!これなんだ。人手が足りなければ手伝ってもらえばいいんだ!」
「何言ってるんですか社長!下手に人員を増やしても混乱するだけですよ!」
「違う!そうじゃない!なにも私達がすべてを作らなくても良いんだ!」
「「「?」」」
オフィス全員の頭に?マークが浮かぶ。
「方針転換だ!これからこのゲームをMMOロボットゲーム製作ツールにする!」
「「「えっ!?えええええええええええええええええ!?」」」
ポンコツ・ロボット・システムズのオフィスに社員の絶叫がこだまする。
この瞬間ロボットロマンが真にロボットロマン足りえる要素がそろった。
そのきっかけは子供が作った拙いロボットだった。

ロボットロマン in ファンタジー超外伝

ロボットロマン in ファンタジー超外伝

  • 小説
  • 短編
  • 青年向け
更新日
登録日
2013-01-20

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