『飼い猫二号』

猫を愛するみたいに
君を愛せたらいいのに


『飼い猫二号』


ナンバリングされて
愛でられて
いつの間にやら
アタシの名前は二号

卒なくこなすアタシを
いつ撫でてもいいのよ
左手首の時計がどんな気持ちで
時を刻んでいるかなんて
アタシには関係ないこと

帰りを待つ人がいるからこそ
そんなふうにハマるんでしょ
そんなふうに冷たい目を
隠そうともしないんでしょ

君はいつでも
品よく寡黙だけど
時に饒舌な夜は
アタシだけのもの

マンション505号室
非日常のその部屋は
きっと君を癒すでしょうね
だけど忘れないで
誰かは必ず泣くのよ



「どんな猫だって飼い主には懐くわ」

『飼い猫二号』

『飼い猫二号』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-06-23

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