『目を背けた先』

貴方が差し出した
明るい未来は
アタシには眩しすぎて


『目を背けた先』


もっと暗くてジメジメした
湿った闇がいいの
心地いいし気が楽だわ

蟻地獄だとか
何だか素敵じゃない
報われなくても
想い続けてみたい

抱かれるたびに
募る寂しさは
もうこれ以上ないくらい
痛くて気持ちいい

生きてる年数が違うのが
そんなに大事?
誰でも落ちる落とし穴
落として差し上げましょうか

怖いのは背中の爪痕より
更に強い独占欲よ
アタシを支配する
誰かの影より恐ろしい

あの人より幸せにするとか
甘い言葉で惑わせるけど
具体的なプランなんて
ひとつも提示できない癖に

笑顔の裏を読んで読まれて
そういう駆け引きがないと
充実感を感じない
正体不明の柔らかな幸せじゃ
お腹はいっぱいにならないわ



「だから貴方を選ばない」

『目を背けた先』

『目を背けた先』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-06-23

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