『夜の上の光』

にんげんはいろんなものをたべられる。
どんどんせいちょうして、きっとおわることをまっている。


かみさまはあまりほかのいのちをたべない。
かみさまは、にんげんのこどくをたべてくれる。
つきることはないこどくを、かみさまはぱくぱくとたべる。

なにかにすがるようなひろいこどく。

あるのだ、ということをみとめるようにたべる。

にんげんによって、ふゆのようにつめたいあじがするこどくも、ゆるされるようなあたたかないろのこどくもあって、かみさまはすべてくちにいれる。


おやすみとおはようをせかいにあたえた、かみさま。
せかいのよるとあさをみつめる、わたしは。


こころにまっしろい、げっこうをいまだ、かっている。


わたしの、おわらないこどくをかみさまにささげても。
かみさまはすこしこまったようにわらうだろう。

さみしいそらのあじがして、かみさまのしたがぬれる。

またね、のことばをかみさまが、ただやさしくのみこんでくれていたら。

わたしはもう、なんにもいらない。

『夜の上の光』

『夜の上の光』

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-06-03

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