『廊下側より』

貴方に愛されて
アタシが咲き誇る


『廊下側より』


顔を近付けて
掌を合わせて
これが最初の内緒事

黒子の位置が同じなんて
子供の頃でも知らなかった
知らない貴方を知って
アタシの自尊心が揺らめく

暗い笑みで交わした行為ほど
何故か胸に残るのは
人前で交わらない
視線みたいに強情ね

教室の隅と隅
太陽に近い場所と
太陽から遠い場所

仄暗いこの情欲を
制服に隠せば
二人は誰から見ても
他人でしかない

悪い事をする時は
お互いを選ぼうと
幼いながら交わした約束は
秘密裏に叶えられる



「貴方の指から太陽の匂い」

『廊下側より』

『廊下側より』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-06-03

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