『優等生』

繰り返される朝帰りも
叱られたことはなかった
だってアタシどんな時も


『優等生』


模範的に規律正しく
真面目だけが取り柄ですって
そんな顔して生きてるの

今でもそんな顔してる?
自分では分からないけど
あの子に嫌われてるから
きっとそうなのね

お酒も煙草も知りません
だけど興味はあるよなんて
そういう隙を男は見逃さない
既に全部知ってても

好きじゃない人と寝て起きて
二度と乗らない車で帰れば
しれっと「ただいま」を
ママの顔見て言えちゃうんだよ

良い子だなんて誤解は
解く理由ないでしょ
便利で有能な肩書きです
浅い傷が増えるだけね

深くなければ痛くもない
逆に心地良いくらい
何も得るものはないけど
みんなそんなものじゃない?

若さ故の過ちと
笑い飛ばすくらいじゃなきゃ
本物に出会った時に
生き残れないわ



「君に出会えるまでのお遊戯です」

『優等生』

『優等生』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-05-10

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