『perfect』

君が愛と呼ぶ
くだらないこの関係


『perfect』


出会ってから今日まで
熱烈に続く甘い言葉の羅列
中身はなく上滑りしていても
気にもしない傲慢さ

思えばその傲慢こそが
若さであり眩しきものだと
今となっては認めるしかない
本来なら遠くに在るべきもの

君の指が毛先を弄ぶ様を
目を細めて見つめれば
途端に花が咲いたように
満面の笑みで駆け寄って来る

あからさまな好意に逡巡するのは
それを一蹴できない自身への恥
到底釣り合わない相手へ
傾いてゆく心の愚かさよ

手を伸ばし頬に触れ腰を抱き
泥沼に自ら嵌るような愚行
足を掬われ引き摺り込まれ
いや、引き摺り込んだのはこっちか

罪悪感は絶頂の瞬間に似ている
気怠げな君に口づけを強請られ
こうなってはもう仕方ない
腹を括って降参する他ないのだから



「ね、アタシたちって完璧よ」

『perfect』

『perfect』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-05-10

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