迷いの森

一話完結です

ルドンの目玉は、やっかいなニンフで人を欺くのが得意なのさ
 
フェアリー司法省ルドン地方裁判所 魔術研究ゼミでは44時間、眠る間も惜しんで最新魔術を研鑽している。

今夜は見習い勇者の無原罪のカーロウ、無原罪のヒュー、無原罪のオファリー、無原罪のサビーナの四人が准魔道師のキニティを囲んでいる。見習い勇者は人間の年齢でいえば14歳位かな。キニティは少し年上。

――真実は一つなのに不思議だろ?目玉ニンフは迷いの森の樹木数の四倍は生息されるといわれている。一つの対象物に対するモノの見方も目玉自身の個体によって感受性や知能数が全く違うし、そのシーンでの立ち位置や角度によって変るね。そこで例の森に迷ったあの戦士の話に戻るけど戦士の事実は一つでもルドン達にとっては、受け取り方がそれぞれ違っている。加えて情報量かな?これは多いに越したことはない。つまり勇者パーティのメンバーの間において情報量が微妙に違えば、認識は共通では無いってことだよ。

――次は迷い森を彷徨う側のモノの見方。樹木に潜伏している目玉ニンフの瞳の鏡面反射には催眠術に近い効果があって同じパーティ一行であったとしても自分の姿を認識するルドンと自分以外の仲間を認識するルドンはそれぞれに反射率が違う。その時に自分がどの鏡面魔術とシンクロしているかは気づけない。旅人がそうした欺きに踊らされるところから、迷いの森って名付けられたらしいよ。こう言うのって古代の方が優れている気がするけど案外そうでもなくて、むしろ現在より未来の方が科学も魔術も進化していくのではないかな。どちらも一歩間違えば命取りになる。

その頃には君たちの代名詞【無原罪】は外れているだろうね。


(准魔道師キニティの講義も今夜はここまで)

迷いの森

迷いの森

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-04-09

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted