zoku勇者 ドラクエⅢ・その後編 エピ17~20

エピ17・18

愛と恋とは違うのりゅ・6

「奥さん、ごめんなさい……、結局、野菜……、
買ってこられませんでした……」
 
申し訳なさそうにアイシャが奥さんに何度も
何度も頭を下げた。
 
「いいんですよ、アイシャさん、あなたに怪我がなくて
本当に良かったわ……」
 
「奥さん……、ぐすっ……、本当にごめんなさい……」
 
下を向いてアイシャが涙を溢すが奥さんはアイシャを
優しく慰めた。
 
「やはり明日の朝食は何か違う物を付け合せに代理で
出そう、なーに、お客さんにだって分かって貰えるさ、
そうと決まったら早速下準備をしておかないとな」
 
「そうね、大丈夫よ……」
 
旦那が立ち上がリ奥さんと一緒に厨房へと戻る。
見ていたアイシャは……。
 
「……せ、せめて……、私もお手伝いしまーすっ!
旦那さん、奥さーんっ!」
 
慌てて夫婦の後を追って厨房に走って行った。
 
「これで、今回も終わったのかな……、明日は僕達も
船に戻ろう、ね?ジャミ……」
 
と、アルベルトが気づいた時にはジャミルの姿が
その場から消えていた……。
 
「いないよ、あそこ……」
 
ダウドが指を指す方向には、ロビーのテーブルで
食事をしているお客さんともう慣れてふれ合っている
らしき、ジャミルの姿が……。
 
「坊や、これも美味しいよ、食べてみんさい」
 
「悪いねえ、そのタルタルソース掛ったエビフライも
食べてみたいなあ……」
 
ジャミルが涎を垂らしながら指に口を当てる。
 
「いいよ、食べな食べな、遠慮せず、はは……、
元気な子だねえ……」
 
「ジャミル……、何やってんの……」
 
「お客さんにおすそ分け貰ってんだよ、少し食う?」
 
「……どうも連れが大変失礼致しました!お客様の
お食事のお邪魔をしてしまって本当に申し訳ありません!」
 
「え、えええ?別に構わないんだけど……、はは……」
 
お客さんはそう言ってくれるが、アルベルトは慌てて
ジャミルを引きずって行く。
 
「……何だよー!折角食ってたのにいいー!」
 
「たく!さっき夕飯食べたばっかりでしょ!
みっともない……!」
 
「暴れたら腹減ったんだよ!」
 
「僕らも厨房の手伝い行くんだよっ!ホラっ!」
 
「……ううう~、鬼い~、悪魔ー!!このシスコンめえええ~!!」
 
「底なし胃袋だよお……、やっぱりジャミルは牛かな……、でも、
めえええ~って言ってるからもしかしたらヤギかも」
 
笑いながらダウドも二人の後を追った。
 
 
 
「悪いねえ、ジャミル君、皆も疲れてるだろうに……」
 
旦那が申し訳なさそうな顔をした。これまでお世話に
なったお礼も兼ね、4人総動員で明日の朝食の下準備を
手伝う事に。
 
「疲れたっつーか、腹が……」
 
「……」
 
アルベルトが半目でジャミルを見る。
 
「減らないよ……、ちぇっ……」
 
イモの皮を剥きながらジャミルが不貞腐れる。
 
「これでカボチャは全部裏ごししましたよ、はい」
 
「有難うね、ダウド君、明日の朝はこれで美味しい
パンプキンスープが出来るわ」
 
奥さんがニコニコ笑う。
 
「私の方も、フルーツの皮全部剥き終わりました」
 
「私もグラッセ用のにんじんの皮みんな剥けましたよ!」
 
「レナさんもアイシャさんも有難う、やっぱり皆に手伝って
貰えると捗って早いわねえ、ふふっ、さあ明日の準備も大体
終わったし、皆でお茶にしましょう」
 
「あっ、私、お湯沸かしますね!」
 
「アイシャさんは本当にきびきび動いてくれるのね、きっと
いいお嫁さんになれるわよ」
 
「えっ、そんな……」
 
奥さんに言われて、アイシャが頬に手を当て
顔を赤くする。
 
「きびきび動き過ぎてなあ……、全く、バタバタバータバタ、
うるせーのなんの……、少しはネジ止めとかなきゃなんねんだけどな……」
 
「……ジャミル、頭にお湯掛けるわよ?カップラーメンが出来るかしら?」
 
「プ……」
 
そして、夜のお疲れ様のティータイムに……。
 
「ジャミル君達は……、明日にはドムドーラを出るんだね?」
 
紅茶を啜りながら旦那が4人に聞いた。
 
「うん、また戻んなきゃ……、けど、なんかの時は又立ち寄るよ」
 
「……寂しくなるわねえ、本当……、又皆いつでも
この宿屋に立ち寄って頂戴ね、待ってるからね……」
 
「……」
 
「レナさん……?」
 
「旦那さん、奥さん……、私も……、お話があります……」
 
又暫く俯いていたレナが夫婦の方を見た。
 
「私も……、明日……、ドムドーラを出て行こうと思います……」
 
「レナさんも、出てっちゃうの……?でも、それじゃ……」
 
ダウドが交互に夫婦とレナの顔を見た。
 
「私、この町が大好き、優しい皆さんが大好き……、本当は
ずっといつまでも此処に居たい……、でも……、それじゃ
駄目なんです……、夢を叶える為にも……、もう一度ステージに
立ちたいって……、だから、私……」
 
「分ってるよ、私達は止めないよ……、レナさんの夢の為にも……」
 
「……いつかこんな日が来てしまうとは思っていたけど……、
行ってらっしゃい、レナさん、あなたの大切な夢の為に……」
 
「……旦那さん……、奥さん……」
 
「寂しくないなんて嘘になっちゃうけど……、でも、
覚えておいてね、あなたの帰る家はここなのよ、辛かったら
いつでも帰ってくるのよ……、いい……?」
 
奥さんはそう言ってレナを側に寄せるとぎゅっと抱きしめた。
 
「……奥さん……、ありがとう……ございます……」
 
「……レナおねえちゃん、いっちゃうの……?」
 
いつの間に来たのか、ミミが起きており、厨房の
入り口に立っていた……。
 
「ミミ、駄目ですよ!トイレに起きたのね?お母さんが
連れて行ってあげるから、ほら……」
 
「……やだーっ!」
 
ミミが泣きながらレナの胸に飛び込み、イヤイヤをする。
 
「……ミミちゃん……」
 
「ミミっ!我がままを言うんじゃありません!こっちに来なさい!!」
 
「ミミちゃん……、悲しい思いをさせてしまって、本当にごめんね……」
 
申し訳なさそうにレナがミミの頭を撫でた。
 
「だって……、レナお姉ちゃんはミミの大事なお姉ちゃんだもん……、
いなくなっちゃうなんて……、やだ……、やだよう……」
 
「ミミ……、レナさんだって辛いのよ……、私達もよ……、
でも……、ミミだってレナさんに立派な踊り子になって
ほしいでしょう……?」
 
「……また、会える……?」
 
涙を拭いてミミがレナを見た。
 
「もちろんよ!」
 
「うん、ミミの大好きなレナお姉ちゃん……」
 
ミミはレナの胸にもう一度顔を埋め、温もりを確かめた……。
 
「さあ、もう本当に寝なくては……、おいで、ミミ……」
 
「はーい、お母さん、あっ……、これ……」
 
ミミがジャミル達の処まで走って来た。
 
「?」
 
「これ、お兄ちゃん達にプレゼント、チビちゃんと
お揃いでみんなで被ってね!じゃあおやすみなさーい!!」
 
奥さんに連れられて、ミミが再び部屋に戻って行く。
 
「何だこれ?プレゼントかな?気が利……」
 
袋の中を見たジャミルの顔が凍りついた……。
 
「……ツッパリかつらだ……、しかもご丁寧に4人分の……」
 
「……」
 
ジャミルの言葉を聞いていた他の3人も時間が止まる……。
 
「本当に4人で暴走族でも始める?、バイクが有れば
完璧なんだけど……」
 
既に諦めているのか、遠い目でダウドが呟いた……。
 
「……冗談でしょ、私、やんないからね……!」
 
「僕も……、遠慮します……」
 
ぱふっ
 
「あっ……!」
 
ジャミルがアルベルトにツッパリかつらを被せた。
 
「アル……、意外と似合うじゃない……」
 
リーゼント頭のアルベルトを見て、アイシャが感動し始めた。
 
「ちょ……!やめてよっ!もうっ!」
 
「あ……!オイラにまでしわ寄せで被せないでよっ、
もうっ、……何するのさっ!」
 
「きゃ!?……や~ん!!私までっ!やだーっ!!あっち行って!」
 
「コラ!やめろ、俺んとこよこすなよ!よせっつーの!」
 
4人はカツラの擦り付け合いを始める……。
 
「……皆さん素敵ですよ!是非集合お写真撮らせて下さいっ!」
 
レナがカメラを持ち出し、目をキラキラさせた。
 
「……レナさ~ん……、や~め~て~ええええ……」
 
4人が一斉に声を揃えた……。
 
 
そして次の日、レナの旅立ちの朝がやって来る……。
 
「旦那さん、奥さん、ミミちゃん……、本当にお世話に
なりました……」
 
「私達夫婦も、ステージで踊るレナさんを観れる日を楽しみに
しているからね、けれどくれぐれも無理はしないようにね?」
 
「……どうか身体には気をつけて……、立派な踊り子になった
レナさんに又……、会える日を楽しみに待ってますよ……」
 
奥さんはそう言うと再びレナを抱きしめた。
 
「……ドムドーラのお父さんとお母さん……、ありがとう……」
 
「レナお姉ちゃん、ミミ……、ずっと、ずーっと応援してるよ!」
 
「ミミちゃんも……、本当にありがとうね、元気でね……」
 
レナがそう言うと又寂しくなったのかミミがレナに飛びついた。
 
「さて、俺達も船に戻るよ、レナさんも元気でな……」
 
「ジャミルさん達もね……、又、会いましょう……」
 
「きゅぴ……、ばいばい」
 
チビも最後にアイシャのバッグからこそっと、

皆に頭を撫でて貰う。
 
「チビちゃんもジャミルお兄ちゃん達もバイバーイ!又あそんでねー!」
 
「おう、ミミ、お前も元気でな!」
 
「さようなら、皆さん、お元気でー!」
 
「またいつでも泊まりに来てくださいね!」
 
4人はミミと宿屋の夫婦にお礼を言うと、ドムドーラを
後にしたのだった。
 
 
「しかし……、色々旅してると……、こういう出会いや別れも
当たり前になってくるな……」
 
「旅の醍醐味でもあるしね……」
 
「本当ね……、次はどんな人達と出会えるのかしらね?」
 
「楽しみだよお!」
 
「きゅっぴ!」
 
 
一方の小悪魔は元の姿に戻って……。
 
「はあ、結局今回も何もしなかったりゅ……、リトルは
バカりゅ、何やってんのりゅ……」
 
しかし……、小悪魔は今までに感じた事のない変な
不思議な感情を持ち始めていた。
 
「けど……、一体なんなのりゅ?あのやかましい女は……、
めざわりりゅ……、さっきからあの女の顔が頭からチラついて
離れないのりゅ……、すげーうぜーりゅ……」
 
そう言って……、アイシャから貰った薬草をちらちら見る。
 
「……フン、リトルの目的はあのチビドラゴンだけなのりゅ……、
あいつら今度こそ容赦はしないのりゅ……」


山竜の塔へ

「……本当に……、その薬は効くんだな……?」
 
「くどいねえ、天才魔法薬剤師のこの俺が調合して
作った薬だぞ……、当たり前だろうが……」
 
「……フン、とりあえず……、信用してやるよ……」
 
アレフガルドの何処かに存在する隠れたほこらで二人の
人物が謎の取引をしていた……。
 
 
「ねえ、次の洞窟って……、何処にあるのかな……」
 
今日は甲板でチビにお昼ご飯のおむすびを食べさせながら
アイシャが皆に聞く。
 
「まあ、片っ端から、まだ行ってない場所、
回ってみるしかねえだろ……」
 
「大変だよお……、ねえ……」
 
「どっちみち、竜の涙も後1個なんだし、そんなに気を
揉む事もねえ……」
 
「だから……、そんなに簡単に上手くはいかないって
言ってるだろ……?いい加減に学習しなよ……」
 
ジャミルの言葉が聞こえたらしく、舵を取っている
アルベルトがジャミルの方をチラ見する……。
 
「へえへえ、どうせ俺は学習能力たんねーよ、
悪うござんしたねー!」
 
「……ジャミルもすぐそうやって不貞腐れるのやめなさいよ……」
 
「……きゅぴ?」
 
チビが又首を傾げだした。
 
「どしたい?チビ……」
 
「またドラゴンさんのこえする……、こんどはおやまの
ドラゴンさん……?」
 
チビはそう言ってパタパタと船首の方へ飛んで行く。
 
「声が聴こえたのか?、ん、山の竜……?」
 
「……うん、ずーっとむこうのおやまのほう……」
 
「前回が海だったから、今度は山岳の方向なのかしら……?」
 
アイシャがそう言うと、チビは宙に浮いたまま、
きゅぴきゅぴ歌をうたいだす。
 
「仲間が呼んでるのかなあ……」
 
ダウドもチビの方を見る。
 
「また歌ってるのかい?チビが……」
 
アルベルトも一旦舵の手を止めて皆の処に来た。
 
「でも、山の中……、もしも山岳地帯なら、また船で
行けないよお……?」
 
「ラーミアも今はいねえしなあ……」
 
「……あっ?ま、また……!」
 
アイシャの手元にある竜の涙が光り出した……。
 
「ジャミル、もう一つの竜の涙を……、お願い……」
 
「わ、分った……」
 
二つの竜の涙を重ねると……、甲板に再び
旅の扉が出来た……。
 
「新しい扉だ……、前の時と同じ様に、きっとこの扉も
ドラゴンの処へ続いている筈だ……」
 
「……行こう……」
 
「う~ん?」
 
アルベルトが旅の扉を見据え、ダウドもしゃがみ込んで
旅の扉を見つめる。
 
「ダウド、どうしたのよ、早く行きましょうよ……」
 
アイシャが急かすが、またダウドの悲観的な悪い癖が始まる。
 
「この扉……、このままだと、まーたあの変な小悪魔に
見つかったら後を追ってくるんじゃないかなあ……」
 
「……隠せねんだからしょうがねえだろ……、来たら来たで
又追い返せばいいんだ、ほらいくぞ!」
 
「あ~う~……」
 
ジャミルがダウドの手を引っ張り、4人は旅の扉の中へ……。
 
 
「……着いたか、ん?今度は洞窟じゃねえぞ……?」
 
「今回は塔みたいだよ……」
 
「この塔の中にドラゴンさんがいるのかしら……」
 
チビを抱いたまま何となく心配そうな声を
アイシャが出した。
 
「……ぴいっ!……いちばんたかいところ……、
ドラゴンさんのこえがするよ?」
 
チビがドラゴンの気に反応しだす。やはりこの塔には
ドラゴンが存在するらしい。
 
「最上階か……、よしっ、行くぞ!」
 
モンスターの心配はない為、楽に進めるかと思いきや……、
2階へと続く階段が見えて来た処で、やたらと顎の長い、
変な顔のエルフが立ち往生していた。
 
「よお、俺達、此処の塔、登りたいんだけど…、
あんたもしかしてこの階の守護者とかだったりする……?
別にいい?んじゃね……、登るよ……?」
 
「……駄目だ、この先に進みたければ試練を受けろ!」
 
「……試練だと……?」
 
突然エルフが弓を構え、4人の前に立ち塞がった。
 
「そうだ……、で、ないとこの先は進ませない!」
 
「……仕方ねえな、たく……で、何すりゃいいんだい?」
 
「あそこにある回転する床を通って見せろ……、お前たちの
智恵と根性を見せるがよい……」
 
「げ……」
 
毎度おなじみの回転する床が階段の前に広がっている……。
ただ、ここはまだ1階なので落とし穴の心配こそないものの……。
此処を通らないと、先に進めないらしい。
 
「通ればいいんだろ、通ればよ……、んじゃいつも通り、
俺が先に行くわ……」
 
ジャミルが床に一歩足を踏み出し適当な方向へ進みだそうとする
 
「この床は……、罠が仕掛けられているぞ、……正しい方向の
床に乗らないとトラップが発動するぞ!」
 
「う、うわっ!?」
 
早速、床を踏み間違えたらしく、ジャミル目掛けて何処からか
電撃が飛んでくる。
 
「あぶねえ……、最初に踏んだのがダウドだったら、
お前丸焦げだったぞ……」
 
間一髪で電撃を避けてジャミルがほっとする。
 
「……あうう……、何だか最近……、雷づくし……?」
 
「……ジャミル!大丈夫!?」
 
「踏む前に言えよな!たく……、危ねえモン作りやがって……」
 
アイシャ達も慌てて心配し、ジャミルも一旦床から降りた。
 
「これじゃ殺されちゃうよお……!!」
 
涙目でダウドが絶叫する。
 
「困ったわねえ……、どう通ったらいいのかしら、
先に進めないわ……」
 
4人が立ち往生していると……。
 
「ぴ~~~いいい!」
 
「わっ!チビっ!!お前っ!な、何……、炎のブレス
吹いてんだ!?」
 
「チビちゃん!何やってるの!?」
 
「床が……、真っ黒漕げだ……」
 
アルベルトが呆然と立ち尽くす……。しかし。
 
「で、でも……、あれ見てよお!ほら……」
 
「え……?」
 
チビはどうやら床にブレスを吹き、罠の箇所の部分の
床だけを選別して燃やし、皆が通れる道を作ってくれたらしい。
 
「あぶないところ、もやしたよお!」
 
「……すんげえ……、お前……、やっぱり知能とテクニック
半端じゃねえな……」
 
「凄いわ!チビちゃん!!」
 
アイシャがチビを抱きしめてチュッチュする。
 
「ぴいっ!」
 
「な、何という……」
 
エルフが呆然としている間にジャミル達はさっさと
全員床を渡り終えた。
 
「渡ったぞ?んじゃ、今度こそ2階へ通してくれるんだな?」
 
「仕方がない……」
 
エルフは納得行かない様な、渋い顔をしていたものの、約束なので
4人は2階へと通して貰った。
 
 
「けど……、本当にチビちゃん凄いねえ……、
罠だけを狙って燃やすなんてさあ、凄すぎだよお……」
 
ダウドも感心して、チビをヨイショしまくる。
 
「チビ、みんなをいじめるあぶないのがどこにかくれてるか、
なんとなくわかったの!だからもやしたんだよお!」
 
きゅぴきゅぴとチビが手をパタパタ振って喜ぶ。
 
「でも……、くれぐれもあんまり危ない事はしないでね」
 
アイシャがチビのほっぺにキスをした。
 
「はあーい!きゅっぴ!」
 
「さーて、お次は何がくるんだかな……」
 
 
そして、2階の途中まで進んだ処で……。
 
 
……やあ、君たち……、やっぱり来たんだね……
 
 
「だ、誰だっ!?」
 
突然響いた声にジャミルが身構える。
 
「きゅぴ……、ドラゴンさん……?」
 
「チビちゃん……?もしかしてこの塔の主の
ドラゴンさんの声なのね……?」
 
「きゅっぴ!」
 
チビがパタパタと尻尾を振った。
 
 
そうだよ、お嬢さん……、僕はすぐ近くにいるよ……
君達の姿は最上階から透視能力を使い、見ているんだ
 
 
「近くって……、まだ塔の最上階は全然先見えない気が
するんだけど……、てか、僕って言ってるから君は男なの……?」
 
ダウドが絶望に打ちひしがれた様な情けない声を出した。
 
「カタカナで喋らないドラゴンか……、チビ並みにそれなりに
知能は高いみたいだな……」
 
「ぴい?」
 
 
……見た処……、悪いけど、僕はまだ君たちを僕の処まで
通す気にならないなあ、とてもじゃないけど……、ごめんね……、
帰ってくれる……?それから気分で一人称使ってるだけだから
どっちでもないよ、オスでもメスでも……
 
 
「ちょ……!今更困るだろ!さっき変なエルフに
試練受けろつーから、わざわざ受けて2階まで来たのに
それはねーだろ!」
 
 
……土産物がないんだよ、僕への……、失礼だろ?
 
 
「なんつードラゴンだよ……」
 
「……じゃあ……、何を持って来ればいいんだい……?」
 
 
金髪の真面目そうなお兄さん、君はなかなか話が分かるね、んじゃ……、
僕の好物の毒マツタケを100本貢いで貰おうかな……
 
 
「毒マツタケ……?だと……、しかも100本……???」
 
「それは何処にあるの……?」
 
姿の見えない声にアイシャが訪ねる……。
 
 
それくらい、自分たちで探すんだよ、ほら、もうこの塔を
出て出て……、後……、そのチビくんは僕の処で預かって
おこうかな……、君達の気が変わらない様にね……
 
 
「ぴっ?」
 
「チビちゃん!」
 
声の主がそう言うとチビの姿が消えてしまった……。
 
「まーた人質……、じゃねえや、この場合、竜質か……?」
 
 
……安心して、この子は僕の処でちゃんと預かるからさ、
少しおねんねして貰うけど……
 
 
「仕方ないよ……、遠回りになるけど一旦戻って、
毒マツタケを探そう……」
 
アルベルトが皆の顔を見た。チビが捕えられてしまった以上、
4人に選択権は無い。……この塔のドラゴンの無茶なお使いを
素直に受ける他は無かった。
 
 
いってらっしゃーい、僕は何年でも待ってるからねー、期待してるよー、
じゃっ……、でも……、なるべく早くしないとこの子は永遠に
眠りっぱなしになっちゃうよ?100年以内には来てね……
 
 
……辺りには静寂が訪れ何の声もしなくなってしまった……。
 
「チビちゃん、残していくなんて……、心配だよおおお……、嫌だよお……」
 
「……仕方ねえな、行くか……、毒マツタケとやらを探しに……」
 
「すぐに戻ってくるからね、待ってて、チビちゃん……」
 
アイシャがぎゅっと竜の涙を強く握りしめた。
 
 
……再びチビを捕らわれてしまったまま……、
何とも言えない気持ちで4人は一旦船に戻る事に……。

エピ19・20

小悪魔のプレゼント

「……しっかしなあ、毒マツタケなんて聞いた事ねえぞ?」
 
「毒なのに食べて平気なのかなあ?」
 
「ドラゴンだし、平気なんじゃないの……?」
 
「……」
 
4人だけが船に帰省したものの、アイシャは塔に
残してきたチビの事が心配で堪らなく、ずっと俯いている。
 
「あっ……、ごめんなさい…、私一人で落ち込んでても
しょうがないよね……、早く毒マツタケ見つけてもう一度
塔に行かないと……!」
 
「でも……、やっぱチビちゃんいないと寂しいよお……」
 
やはり、チビの事が気がかりで仕方がないダウドも下を向いた。
 
「……」
 
4人は甲板に座っていつも楽しそうに歌っていた
チビの面影を見、複雑な心境になる……。
 
「行きましょう、絶対にもう離れないって
約束したんだから……、例え何回引き離されたって
チビちゃんは取り返すわ……」
 
アイシャが立ち上がって甲板に出来た旅の扉を
見つめた。再び此処を通ってチビの元に急がなければ
ならないのである。その為には何としても毒マツタケを
探し出す必要がある。
 
「だな、あても何もねえけど、取りあえずは基本に
帰って情報収集だな、また、何処かの町にでも
行ってみっか……、今はそれしかねえ……」
 
「ええ……」
 
アイシャを落ち込ませない様、そう言って
みたものの……、上の世界に無事戻り、竜の
女王の城でチビが……、今は亡き女王の本当の
子供である事が判明すれば……。
 
……チビとの別れの足音が段々近づいている事を
ジャミルは感じているのであった……。
 
「知識豊富といえば……、メルキドの神父さんだな……、
何か知ってるかもな、行ってみるか……」
 
「メルキドね、ガライさん……、元気かなあ……」
 
ダウドがふと、ぽつりと懐かしい名前を口に出した。
 
「げっ……、あまり思い出したくない名前だなあ……」
 
「ジャミルはガライさんに会いたくないの?オイラは
また会いたいんだけどなあ……」
 
「そうじゃねえけど……、何か疲れんだよ……、
あの破天荒な性格は俺にはちょっと……」
 
「自分の事棚に上げて良く言うよ、この際そんな事
言ってる場合じゃないよ、行こう……、……少しでも
何か判る事があれば調べないと……」
 
「チビの為だもんな、行くか……、んで、腹黒うるせーよ……」
 
4人は再度ドムドーラ経由で、メルキド方面へと向かった。
 
「何だかま~た忙しくなってきた様な気がするよおお~……」
 
「フィールドでモンスターと接触しない様になっただけ
楽なのよ、贅沢言わないのっ!」
 
アイシャは愚痴を溢すダウドにそう言い、……チビがいない
スラ太郎だけになってしまったバッグの中を見る。
 
「いつかは……このバッグの中にも入れなくなっちゃう
ぐらい大きくなるのよね、チビちゃんも……」
 
「アイシャ……」
 
寂しそうなアイシャの顔を見ていられずにジャミルが
アイシャから目を反らした……。
 
 
そして、メルキドへ……。
 
「……此処も大分雰囲気変わったな、あの時と違って
皆真面目に働いてるし……」
 
「お店もちゃんと開いてるみたいだしね、うん、
良かった……」
 
以前とは感じががらりと変わった街の中を、4人は
歩いて回ってみる。
 
「……此処だ、神父さんの処だ……」
 
「行ってみましょ」
 
神殿の中に入ると……。
 
「……?おお、勇者様達……!何と……、お久しぶりで
ございます……」
 
ジャミル達の姿を見ると神父さんが急いで駈けて来た。
 
「何処に行っても、もう皆俺らの事、忘れてんのにな、
何か嬉しいな……」
 
ジャミルは神父と握手を交わした。
 
「……ガライは元気かい?相変わらず歌ってんのか?」
 
「それが一年前にふらふらと……、メルキドを出て
何処か又旅立った様でして……、しかし、彼の事ですから
きっと元気にしている事でしょうて……」
 
「……そうか、相変わらず落ち着かねーな、
あいつも……」
 
と、言いつつも、心のどこかで、ガライに会えないのを
安心するジャミルであった。
 
「それで、今日はまたどうなされたので?何か世界に
又……、異変が……?」
 
「いや、そうじゃねえんだ、その……、神父さんは
毒マツタケって知ってるかい?」
 
「……毒マツタケ……、ですか……?はあ……」
 
ジャミルが聞くと、神父は何となく困った様な顔をする。
 
「……やっぱり神父さんでもわからないのかなあ……?」
 
「うん、僕らだって初めて名前聞いたんだもの、
そんないい加減なキノコ……」
 
「確信がある訳ではないのですが……、その……、
何となく昔少しだけ……、情報を聞いた事があります……」
 
「……マジっ、ほんと!?」
 
「ええ、マツタケの突然変異で出来る……、大変貴重な
キノコの一種かと……、しかし……、果たして存在その物は
あるのか……、生えている場所すら全く……」
 
「そうだよな……」
 
やはり……、一番知りたい肝心の情報はどうにも
駄目らしかった……。4人は揃ってがっくり肩を落とす……。
 
「申し訳ありません、お役に立てなくて……」
 
「いや、いいんだよ、こっちこそ突然来て変な事
聞いてごめんよ、でも、今は少しの情報でも凄く
助かんだ、ありがとな、神父さん!」
 
「……勇者殿、どうか、どんな時でも希望だけは
忘れずにいてくだされ……、決して諦めない心はきっと、
あなた方の大きな力に成る筈です……」
 
神父の励ましを胸に刻み、4人は神殿を後にした……。
 
「……ん?」
 
神殿を出た4人の前に人間小悪魔ver、リィトが
立っていた……。
 
「……やあ……」
 
「……?あ、お前……」
 
「……ふん」
 
「リィト!又会えたのね!」
 
アイシャがリィトの手を握った。
 
「……うわ!触るなっ……!また……、ジンマシンが
で……りゅ……」
 
慌ててリィトがアイシャの手を跳ね除けた。
 
「何よっ!失礼しちゃう!!」
 
「また出た……」
 
ダウドが呆れた顔をする。
 
「お前……、ホント何処にでも現れんな……、
何なんだよ……」
 
「ふん、こっちだって会いたくなくたって、あんた達と
どうしても会っちゃうんだから仕方ないだろ……」
 
「何……、そのいい加減な理由は……」
 
アルベルトもリィトを怪しげにジロジロ見た。
 
(……また……肝心のチビドラゴンがいないりゅ……、
警戒して隠してんのかりゅ……!?)
 
「ところで、今日は何だ?俺達も急いでんだよ」
 
「……ああ……、この間あんたに薬草貰ったからさ、
一応……、お礼にと思って……、これ……、元気の出る……、
甘い飲み物を……、ね、持ってきたんだよ……」
 
リィトがアイシャの方をちらちら見ながら、何やら
飲み物らしき物が入っているボトルを皆に差し出した。
 
「……」
 
4人の視線が一斉にリィトの方に釘付けになる……。
 
「……な、何……?何さ……」
 
「お前……、それだけの為にわざわざ……、俺達に
会いに来たのか……?」
 
「いや、別に……、もしもどこかで会えたら渡そう
かなと……、借りを作るのは嫌いだから……、本当に
偶々偶々……、立ち寄った場所にまたあんた達がいたから……、
それで……」
 
「お前……、本当は凄くいい奴だったんだな……!!」
 
「うわっ!!」
 
ジャミルがアップでリィトに迫る。
 
「やめろ……、やめりゅ……あああ……!!」
 
「僕も君の事誤解してたよ……、本当ごめん!!」
 
アルベルトもリィトに頭を下げた。
 
「だから言ったでしょ!私達、もうお友達だって!ね?」
 
「本当だよおおお……!これからも仲良くしようよお……!!」
 
アイシャもリィトに微笑み、ダウドも感動しながら
リィトの手を握った。
 
「……ぎゃああああ!今までの中で……、さ、最大の
ジンマシンがでりゅ……!!あああああっ!!……ゼーハー、
ゼーハー……」
 
リィトは呼吸を整え落ち着くと、もう一度4人の方を見た。
 
「はあ……、僕も今日はこれで失礼するよ、……飲み物……、
ちゃんと飲んでよ……?」
 
「もっちろん!!」
 
4人は揃って元気に返事をした。
 
「それじゃ……、また……」
 
(……たく……、なんつー単純な……、これぐらいの事で
あっさり人を信用して……、全くあいつらは本当にバカりゅ……、
まあ……、バカだから騙せりゅんだけど)
 
含み笑いをし、4人の方をこっそりと振り返りながら
リィトが歩いて行った……。


ミニマムカルテット

「それにしても……、あんの仏像面の愛想のねえ
クソガキが……、まだ信じらんねえ……」
 
夜……、船に戻って休憩室で食事をしながらリィトに
貰った飲み物を前に4人の会話が弾む。
 
「だから言ったじゃない、本当はいい人なのよ、ね?」
 
「本当だね……、これは本当に力が出るよ……」
 
「甘くてほんとに美味しいよお!」
 
ほんと、ほんとを連呼するアイシャ、アルベルト、ダウドの3人。
 
「……あーあ、あっという間に全部飲み終わっちまったか……、
それにしても美味かったなあ……、何処に売ってんのかな?」
 
ジャミルが名残惜しそうに空になったボトルの中を覗く。
 
「…何だか私、元気が出て来ちゃった!よーし、チビちゃんを
取り戻す為に頑張るわよーっ!」
 
握り拳を作ってアイシャが自身に気合を入れた。
 
「あれ……?」
 
「どうしたの?ジャミル……」
 
「気の所為かな、俺……、何か背が縮んで又小さくなった
様な気がする……」
 
「気の所為だよ、うん……」
 
「……俺が小さくなって……、なーんかお前らがやけに
でかく見える様な気ィするわ……」
 
「気の所為だよお……」
 
「私……、何か眠くなっちゃった……、おやすみー……」
 
いきなりアイシャがテーブルに突っ伏して寝始めた。
 
「駄目だよ、アイシャ……、こんな処で……、風邪ひく……?」
 
アルベルトが声を掛けてアイシャを起こそうとするが……。
 
「だって~、眠くってどうにもならないんだもーん……」
 
「うん、そうだね……、実はオイラもなんだ……、何か急に
睡魔が襲ってきたみたい……」
 
「ダウドまで……、駄目……、僕も……、何でだろう……」
 
アルベルトまで眠ってしまった……。
 
「おーい、皆で寝るなよ……、ずるいぞ……、
俺も……寝る……」
 
ジャミルまでもが熟睡しだした……。
 
 
「……ん?」
 
最初に目を覚ましたジャミルが回りを見ると……、
他の3人はまだ寝ていたが何故か全員床に倒れて
いたのであった。
 
「……何か……、やけにテーブルがでかくなってんだけど、
どうなってんだ???」
 
ジャミルはとりあえず、他の3人を起こしてみる。
 
「おい、起きろよ、皆大変だ……、テーブルが巨大化したぞ!」
 
「何を訳の分からない事言ってるんだよ、ジャミル……」
 
次に目を覚ましたアルベルトも頭を横に振って気分を
すっきりさせる。
 
「だって、見てみろよ、あれ……」
 
「……本当だ、何でだろう?凄く大きいです……ね」
 
アルベルトが首を傾げた。
 
「な?」
 
「ふにゃ……、寝すぎちゃった……」
 
「ん~、気持ちいい、チビちゃんと一緒に水風呂に
入ってる夢見てたわあ、ふわあ……」
 
続いてダウドとアイシャも目を覚ました。
 
「おかしいだろ、絶対、テーブルだけじゃねえぞ、
ドアまででかくなってる……」
 
「この部屋にある他の物もよ、どうしたのかしら……」
 
「幸い、ドアは開いてるから、外出られるぞ、行こう」
 
 
4人は休憩室から廊下に出てみるが……。
 
「……でけえ、とにかくでけえ、何もかも……」
 
「とにかく、甲板に上がってみよう、船の舵も
取らなきゃだし……」
 
「階段が……」
 
「……」
 
明らかに階段まで大きくなっている為……、今の4人には
到底登れそうにない……。
 
「んな事言ってる場合じゃねえ、とにかく登るんだっ!」
 
「……のーぼーれーなーいーよおお……」
 
ダウドが早速階段から滑り落ちた……。
 
「ダウド、頑張って……、ほら……」
 
アルベルトがダウドに手を差し伸べる。
 
「じぬ……ああああ……」
 
「……これって、いいダイエットにもなるわよね、頑張るわ……」
 
何とかアイシャも踏ん張って皆で階段をヒーヒー登る……。
4人は甲板へと続く巨大化した階段をロッククライミング状態で
約10時間掛けて漸く登り終えた……。
 
「……も、も~駄目……、一体何でこんなことに
なってるのお~……」
 
一番最初に登り終えたのはジャミルだったが、一番最初に
倒れたのはやはりダウド。
 
「あ……、朝になっちゃってるわ……」
 
アイシャも甲板にしゃがみ込んだまま動けなくなっている。
 
 
……りゅ、りゅ、りゅ、りゅ、り~~ゅ~~う~~う~~う~~……
 
 
「あの声は……、ベビーサタンだな、又しつこくきやがったか……」
 
「……こんな時にぃ~……、オイラ筋肉痛で動けないよお……」
 
「何だか今日はやけにスローな声ね……」
 
「うん、お相撲さんが喋ってる様な声だね……」
 
 
……どっすん!!
 
 
「……うわっ!?」
 
「きゃ!?」
 
続いて……、物凄い地響きと巨大な足音がして、4人は何かに
跳ね飛ばされて甲板を転がる。一瞬、又動く石像でも乱入して
来たのかと思う4人であった。
 
「……アイテテテ、たく……、何なん……」
 
ジャミルが頭上を見上げると……、其処にいたのは
動く石像でなく……。
 
 
「……り~~ゅ~~う~~……」
 
 
巨大化したベビーサタンが甲板に突っ立ち、4人を
見下ろしているのである……。
 
「……マジで……?冗談っしょ……?」
 
「ジャミル……、落ち着こう、……えーと……、この
現状から察するに……、えーと……」
 
「あんだよ、アル!早く言えよ!」
 
「えーと、つまり……、この船の物が巨大化
したんじゃなくて……」
 
「……」
 
「……僕らが小さくなっちゃった……って、事……かな……?」
 
「……バ~カ~が~ちーいーさーくーなーって~る
りゅ~~……、ぬ、ほ、ぬ、ほ……ぬ、ぬ……ほ、ほ、
ほ、ほ、ほお……お!!」
 
ベビーサタンがグリーンジャイアント状態で
ほほほほ笑う……。
 
「……うるせーな!バッキャロめ!!……そうか、分ったぞ!
てめえが俺らに変な魔法掛けやがったんだな!?」
 
確かに、仕組んだのは根本的に人間の時の小悪魔で、
どっちみち小悪魔がやった事には変わりないのだが、
まさか貰った飲み物が原因とは4人は全く気付か
ないのであった……。
 
「おい、チビドラゴンは何処りゅ?隠すんじゃないりゅ、
早く教えろりゅ!」
 
(スロー声はやかましいので、普通に喋らせます……)
 
「誰があんたなんかに教えるもんですかっ!!」
 
「……小娘め……、生意気な口聞いてられるのも
今のうちだけりゅよ……、ん?あれは……」
 
「まずいっ……!!やばいぞっ!!」
 
ベビーサタンは甲板に出来た旅の扉の存在に気づいてしまう……。
 
「前回は確かあんな様な処から、ドラゴンの処に行けた……、
つまり……、ここを通れば又違うドラゴンの処に通じてりゅのね、
ふんふん」
 
「やめろっ……!……その先には行かせねえぞ……!!」
 
「その慌てっぷり……、ふふん……、やっぱりりゅ、
チビドラゴンもこの先に……、ふふん……」
 
「いないよお!チビちゃんなんかいないから……!
だからどっか行ってよおお!」
 
ダウドも必死に叫んでチビを守ろうとするが……。
 
「……そんなミニマム状態で何ができりゅーっ!お前ら
もう邪魔!どっかとんでけりゅーーっ!!
 
「……あ、あああああーーーっ!!」
 
 
4人はベビーサタンの風魔法で小さくされたままの状態で
船から遥か遠くに飛ばされてしまい最悪の事態を迎えたのであった……。
 
「フン……、やーっと邪魔者がいなくなったりゅ、
バカにしてたけど……、あの魔法薬剤師の薬の効果は
半端じゃなかったのりゅ、ふふふ……」
 
小悪魔はそう呟くとほくそ笑み、目の前の旅の扉を見つめた……。

zoku勇者 ドラクエⅢ・その後編 エピ17~20

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スーファミ版ロマサガ1 ドラクエ3 続編 オリキャラ オリジナル要素・設定 クロスオーバー 下ネタ 年齢変更

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-03-30

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二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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