未定

未定

第1話

真っ白な手帳。
何か理由があるわけでもないが、次へと手はページを捲っていく。
特に書くことなんてないが、ペンも持っている。

全てが未定……

ああ、絶望だ。
空を見上げ、目を瞑る。
元々は、予定があった日も二重線が引かれてしまった。

今日の夜も予定があった、はず。
しかし、当日になってキャンセルとは……

ああ、嘆かわしい。
これが、現代のコミュニケーションというものか!

第2話

日めくりカレンダーを購入してみた。
予定を書くのに丁度いい大きさを購入した!

早速、予定のある日に印をつける。
これはいい!どんどん予定を入れて埋めていこう!

ペンがこんなに進むとは!カレンダーとはいいものだな。
そんなことを噛み締めてみる。

まぁ、実際は予定なんてなくて・・・
仕事が休みの日に印を付けているだけなのだけど。

あぁ・・・これが未定だらけの人生か。

第3話

片手にコーヒーを持ち、片手にはスマホ。

最近の若い人は、スマホで全てのスケジュールを管理しているらしい。
私も試してみようと思い、カレンダーアプリを起動する。

最近買い換えたので実はまだ……いや、かなり使い慣れていない!
しかし、ここはスタイリッシュにコーヒーを飲み、スタイリッシュにスマホ操作する!そんなお店だ!

みすぼらしい姿は見せられない!
意気込みながら私はアプリを見つめ、予定がある日を埋めようとしていく……。

ま、アプリで管理するほどの予定などないのだけどね。
そう思いつつ、静かにアプリを終了した。

未定

未定

予定があるようでない人をうっすらと描いてみました。 終わらせることも決まっていない 内容もちゃんと決めていない 全てが未定のショートショート集です。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-03-27

Copyrighted
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  1. 第1話
  2. 第2話
  3. 第3話