悪魔 / フルーツ萬太郎 作

悪魔

今日も悪魔が笑ってる
下品な声を上げながら
僕は彼らから身を離し
頭をかかえて身震わす

今日も悪魔が踊ってる
金切り声を上げながら
こつんと頭に石当たり
恐怖に僕は目を逸らす

門番達は悪魔に飲まれ
僕は悪魔になれはせず
時間と共に心が閉じて
ただ遠くから眺めてた

それから僕は逃げ出した
けれど閉ざした心は凍り
人のすがたが悪魔に見えて
視界塞いで見ないふりした

今やそれらは乗り越えた
ひとつの問いを除いては
自分は一体何だったのか
悪魔でなかった あの日の自分は

悪魔 / フルーツ萬太郎 作

悪魔 / フルーツ萬太郎 作

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-02-14

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