No title

「どれくらいの値打ちがあるだろう?
今生きているこの世界に。手に入れたものと引き換えにして、切り捨てたいくつもの輝きに。
全てが無意味だって思える。」

 昨日までは序章の序章。
 君の目が貫いた、僕の目をまっすぐ。
 まちがいさがしの間違いの方に生まれてきたような気でいたけど、巡り逢えたことで、こんなに世界が美しく見えるなんて。
「この道で迷ったなら、そっと手を引くからさ、心配しないで、歩き続けて。どんなに強い雨の夜でもそうだよ、朝はやってくるから、いつか太陽が照らしだす。」
 瞬く間に落っこちた深い夏の中で、君じゃなきゃいけないと、ただ強く思うだけ。

 君がいなくなった日々は、どうしようもなく気だるくて、全力で忘れようとするけど、頼りない僕は寝転んだ。

 君がいたらなんて言うかな?
 暗いと茶化して笑うのかな?
 その柔らかな笑顔に触れたい。

 僕はそう、大馬鹿者だ。
 やっと気づいた。
 君と過ごす日々に、本当に欲しかったものがあるんだ。
 運命だとか未来だとかって言葉が、どれだけ手を伸ばそうと届かない場所で、経験と、知識と、カビの生えかかった勇気を持って、君に心から「ありがとう」を。

 雨風に打たれてボロボロになっても、変わらないこの想いを伝えにいくため。
 走れ
 走れ

 支え合える喜びも、分かち合える悲しみも、いつの日か揺るがない形になって、世界中を探してもここにしかないもの、それを愛と呼ぶなら、今、はっきりと言えるよ。
 いつまでも僕のそばには君がいて欲しい。

No title

・Mr.Children「HANABI」
・RADWIMPS「スパークル」
・菅田将暉「まちがいさがし」
・DISH//「猫」
・山下智久「Dreamer」
・Uru「それを愛と呼ぶなら」
より

No title

歌詞を切り貼りしたら(多少変えてるとこあるけど)できてしまったショートストーリーです。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-01-25

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