キリの花園

おはなし

とある全寮制学園、私立緒花(おばな)学園の中等部、文芸部での物語。
保健室登校の生徒サユコは、双子の姉に誘われ文芸部に入ることになる。

そこは互いを本名ではなくペンネームで呼び合い、詩や小説を読み、書きながら、キリと呼ばれる美しい男子生徒を愛し、彼に愛される場所だった。
文芸部の面々全てから愛されるキリ、彼はサユコを気に入ってしまう。そのことを許せない文芸部の面々はサユコに自分はいかにキリに愛されているかマウントを取り始める。徐々に和が乱れ崩壊していく文芸部。

最後はキリは刺され、文芸部の面々は殺し合いをして全員死んでしまう。

血まみれの部室の中で、サユコだけが残される。そこに死んだはずのキリが立ち上がり、「僕は君に恋している」「僕を受け入れてほしい」と乞う。頷いたサユコを見て、キリは微笑んだ。キリは文芸部の頭の中でしか生きられない幻覚・空想の存在だった。キリはサユコに取り憑き、永遠にサユコに寄り添い続ける。

……という、残虐劇。

文芸部

キリ
二年生
文芸部に愛し愛される美しい偶像のような少年。それぞれのペンネームは彼が名づけている。彼がサユコに惚れたことで全てが狂っていく。
文芸部の想像力から生まれた幻想の少年。文芸部の面々にしか存在を視認できない。
キリの花言葉は「高尚」

サユコ
二年生
保健室登校をしていた生徒。双子の姉マユコに文芸部に誘われる。元々読書は好きだが、詩や小説を書いた経験はない。キリに好かれるが、戸惑うばかり。最後はキリにサクラとペンネームをつけられ、彼を受け入れる。
サクラの花言葉は「純潔」

ローズ
二年生
サユコの姉。サユコと違い社交的な性格。リナリアと並び学年の人気者。人と関わろうとしないサユコを案じ文芸部に誘うが、彼女がキリに気に入られたことによりそのことを深く後悔し、サユコと険悪な仲になっていく。
ローズの花言葉は「愛」
本名はマユコ

アネモネ
一年生
内気な女子生徒。新聞部も兼部しているが、文芸部にいる方が多い。文を書くのが好きで、自分が一番キリの気に入る作品を書いていると思っている。
アネモネの花言葉は「儚い恋」
本名はカコ

クレオメ
二年生
クラスの隅が定位置の男子生徒。手品が趣味だがキリにしか見せたことがない。キリだけが自分を理解してくれていると信じている。
クレオメの花言葉は「秘密のひととき」
本名はユウキ

リナリア
二年生
学年の人気者の女子生徒。華やかで少しわがままだが、それを許される愛嬌も持ち合わせている。キリに恋をしており、自分だけのものにしたいと思っている。
リナリアの花言葉は「乱れる乙女心」
本名はナナ

ガーベラ
三年生
文芸部の部長を務める女子生徒。年齢より大人びており、皆のまとめ役。作品のクオリティも高い。自分が一番キリに頼られていると思っている。
ガーベラの花言葉は「究極美」
本名はアカネ

アイビー
三年生
体は男性、心は女性の生徒。クラスでは窮屈な思いをしているが、キリにありのままで良いと言われ、文芸部では女子制服を着ている。自分が一番キリに愛されていると思っている。
アイビーの花言葉は「永遠の愛」
本名はショウ

キリの花園

キリの花園

とある学園の中等部にある文芸部で繰り広げられる愛憎劇

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • サスペンス
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-01-11

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