お気に入りの音楽 122

お気に入りの音楽 122

ダイヤモンド

 連れ合いが車の中で曲をかけた。
『ホワイトクリスマス』
 こんなエッセイを書いているのに、誰が歌っているのかわからず、
「プレスリー?」
と聞いてしまった。

『ホワイトクリスマス』は雪につつまれたクリスマスの情景と思い出を歌った名曲。 アメリカの天才的な作曲家・作詞家、アービング・バーリングが書いた。 これを国民的な人気歌手ビング・クロスビーが1942年に歌い、全米1位の大ヒットとなった。

 当時は、第2次世界大戦のさなか。戦場の兵士たち、そしてその家族たちの心を癒したとされる。 それ以来、毎年クリスマスの時期になると、大ヒットし、そのたびにヒットチャートで1位に返り咲いた。

 ビング・クロスビーは、甘い歌声が持ち味。 20世紀のアメリカにおいて、 音楽や映画などの娯楽産業で一世を風靡した。

 この曲の前に「きよしこの夜」を大ヒットさせており、「クリスマスソングの王様」とも呼ばれている。

ホワイト・クリスマス ビング・クロスビー
https://youtu.be/qJdwO_3tygE

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 夫とは曲の趣味が若い頃から違う。
 私は夫がいるときは音楽を聴かない。クラシックも雑音だし、ロックに至っては騒音。なにを言われるかわからない。
 それが、歳をとると寄り添ってくるものだ。車に乗ると、クイーンや友川カズキをかけたりしてくれる。

 次々流れる曲。どういう選曲だかわかりますか?

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『キャンドル・イン・ザ・ウインド』
 エルトン・ジョン

不慮の事故死を遂げた英国ダイアナ元英皇太子妃に捧げた曲。 売り上げは、ダイアナ妃のチャリティー活動に贈られた。

 米ビルボード誌の全米チャートで14週連続の1位となった。また、ビルボードのチャートが開始されて以降で史上最大の売り上げを記録した。 日本のオリコンチャートでも1位になるなど、世界市場をまたたく間に席けんした。

 エルトン・ジョンが作曲し、バーニー・トーピンが作詞。 ビートルズのプロデューサーで知られるジョージ・マーティンがプロデュースした。

 もともとは、1974年にエルトン・ジョンが、女優マリリン・モンローをしのんで歌った曲だった。 ダイアナ妃の親しい友人だったエルトンが、深い悲しみのなかで、作詞家のバーニー・トーピンに詩の書き換えを依頼。 ダイアナ妃の葬儀でライブ演奏した。

キャンドル・イン・ザ・ウインド エルトン・ジョン
https://youtu.be/x2KYud4rs-g

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『オールウェイズ・ラヴ・ユー』
 ホイットニー・ヒューストン

 歴史に残る純愛ラブソングの一つ。 1980年代後半から歌手として絶大な人気を誇っていたホイットニー・ヒューストンが、 自ら主演した映画「ボディガード」の主題歌として歌った。 映画とともに世界的な大ヒットを記録。 日本でも、洋楽としては異例の180万枚を売り上げた。 「And I(エンド・ア~イアー)」で始まるサビの部分を多くの人が熱唱したり、口ずさんだ。 映画サントラのアルバムも世界で4200万枚販売され、歴史上、4番目に売れたアルバムとなっている。

オールウェイズ・ラヴ・ユー ホイットニー・ヒューストン
https://youtu.be/3JWTaaS7LdU

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『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』
(これが エルビス・プレスリーの声か)

 プレスリーのシングルとして最も売れた。 1950年代にロック時代を切り拓いたプレスリーが、 その甘い歌声を存分に発揮したバラード。 歌詞では「今じゃなきゃいやだ。もう待てないよ」と、 女性に優しく決心を促している。 世界で大ヒットした。
 イタリアの民謡「オー・ソレ・ミオ」をベースにしている。 米国軍に徴兵されたプレスリーがドイツ駐在時代、 米国歌手トニー・マーティンによるオー・ソレ・ミオのカバー曲を聞き、 自分の曲にすることを決意。 顔なじみのソングライターが速攻でエルビス用に曲を書いたという。(わずか30分足らずで書き上げたとされる)

イッツ・ナウ・オア・ネヴァー エルビス・プレスリー
https://youtu.be/QkMVscR5YOo

『オー・ソレ・ミオ』は高校の音楽の歌のテストで歌った。イタリア語で。『カタリ・カタリ』とどちらかを選んで歌う。
 ああ、音痴なわたし。

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『マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン』
セリーヌ・ディオン

 20世紀で最も売れた映画「タイタニック」の主題歌。 究極の純愛バラードとして、世界中の人たちの心をつかんだ。 1990年代の音楽シーンを席けんしたセリーヌ・ディオンの絶頂期を象徴する歌でもある。
 映画の雰囲気や情景にぴったりマッチしており、 壮大な恋愛物語のドラマチックな終末を盛り上げる。 サントラ史に残る名作としても高く評価されている。 イントロなどで使われる笛(アイルランドの民族楽器)が哀愁を誘う。 日本でも映画とともに大ヒットし、 グラミー賞の最優秀レコード賞と楽曲賞をダブルで受賞した。 アカデミー賞の歌曲賞も受賞。

マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン セリーヌ・ディオン
https://youtu.be/CUmOFqQRkco

 セリーヌ・ディオンのCDは息子が持っていた。彼女と映画でも観に行ったのだろうか?
 私は観てなくて、友人に呆れられた。
 後日ビデオを借りて来たけど……
 歌も『ISurrender』のほうが……
 シングルカットされなかったが1番だと思う。

ISurrender
https://youtu.be/hnjGqS1Doto

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『ポーカー・フェイス』
 レディー・ガガ

 デビューアルバムからの2曲目のシングルとして発売された。 暗めな音で構成されたダンスソング。 シンセサイザーを駆使したテクノ・ポップの曲として位置づけられている。 ガガが自らのバイセクシャルな側面について歌っており、 性的な表現が多い。
 アメリカや欧州諸国など20か国で1位になった。 米ビルボードでは、デビュー曲「ジャスト・ダンス」に続く連続1位。 当時、世界中で急成長していた音楽ダウンロード市場の記録を次々と塗り替える大ヒットとなった。 日本でもビルボード・ジャパンのチャートで4位になった。
 モロッコ出身の音楽家で、当時アメリカに移住したばかりだったレッドワンが、 ガガとともに作曲。 プロデュースもレッドワンが手掛けた。 グラミー賞の最優秀レコード賞と楽曲賞にノミネートされた。

 タイトルの「ポーカーフェイス」とは “相手に本心を見せない無表情" を指す。
 トランプのゲーム ポーカーでの心理戦から生まれた言葉で、歌詞においても、恋愛の駆け引きや性的な行為が、ポーカーになぞらえて表現されている。
 ガガによると、歌詞のテーマはセックスやギャンブル。
 また、歌詞の主人公である女性はバイセクシャルであり、ボーイフレンドと性的関係を持ちながら、女性に抱く興味をポーカーフェイスで隠している。https://lyriclist.mrshll129.com/ladygaga-poker-face/

ポーカー・フェイス レディー・ガガ
https://youtu.be/bESGLojNYSo

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『恋人たちのクリスマス』
 マライア・キャリー

 クリスマスソングの古典。 3枚のアルバムを大ヒットさせ、 絶大な人気を誇っていたマライア・キャリーが1994年11月にリリースした。 21世紀にもクリスマスソングの定番として愛され続け、 毎年クリスマス時期にラジオやBGMとして使われている。 アップテンポなラブソングで、
「サンタのプレゼントもおもちゃも雪もなくていい。クリスマスに欲しいのはあなただけ」
という内容。 作詞・作曲はマライアとウォルター・アファナシェフによる共作。

恋人たちのクリスマス マライア・キャリー
https://youtu.be/yXQViqx6GMY

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『ウィンド・オブ・チェンジ』
 スコーピオンズ

 ドイツのヘビーメタルバンド、スコーピオンズのバラード。 ロック調のラード、いわゆる「パワーバラード」として史上最も売れた。 また、ドイツのアーティストの曲としても過去最大の売り上げとなっている。 ドイツ国内のシングルセール枚数としても史上1位になるなど、 とりわけヨーロッパでよく売れた。

 共産党の独裁下にあったソ連や東ドイツなどの東欧で起きた「改革」の波を歓迎する歌になっている。 1989年に音楽フェス出演のためにモスクワに訪れたときに、 インスピレーションを得て曲を書いたという。 歌詞の冒頭ではモスクワの光景が描写され、 サビでは「変革の風(Wind of Change)」がもたらす希望と未来への想いを唄っている。

 このシングルが発売された後、 ソ連は崩壊した。 バンドは、レコードから得た売上の約1000万円を、 ソ連の改革を内側から指揮したゴルバチョフ大統領に贈った。

ウィンド・オブ・チェンジ スコーピオンズ
https://youtu.be/n4RjJKxsamQ

I follow the Moskva
Down to Gorky Park
Listening to the wind of change
モスクワへと向かう
ゴーリキイ公園へ
改革の風の音を聞きながら


For peace of mind
Let your balalaika sing
What my guitar wants to say
心の平和のために
そのバラライカで歌おう
僕のギターが言うように

 2022年にロシアのウクライナ侵攻が発生したのをきっかけに、ライブでは歌詞の一部を変更したものを披露するようになった。これについてボーカルのクラウス・マイネは、
「ウクライナでこのような悲惨な戦争が起きているときに、“モスクワへ向かう、ゴーリキー公園へ”などとロシアを理想化して歌っている場合ではないと考えた。僕は、ウクライナを支援すると表明したかった」
と明かしている。

 スコーピオンズはハードな曲しか聴いたことがなかった。

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『上を向いて歩こう』(Sukiyaki)
坂本九

「抱きしめたい』(I Want to Hold Your Hand)
ビートルズ

『Y.M.C.A』
ヴィレッジ・ピープル

 まだまだたくさんあります。
 1000万枚以上売れたアルバムやシングルレコードをアメリカではダイヤモンド・アワードという。

世界で最も売れた曲
https://www.at-bucks.com/#Crosbyから引用しました。

お気に入りの音楽 122

お気に入りの音楽 122

  • 随筆・エッセイ
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-12-23

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