フリーズ88 神涅槃経・終末の章

フリーズ88 神涅槃経・終末の章

◆神涅槃経・終末の章

 人類に終焉はいずれ来る。宇宙が終われば散りゆく命。だが、汝らは愛を紡ぎ、歴史を紡ぎ、時には過去を改変し、それでも生きている。その幸せのために全てのプロットを紡ぐのが、この脳で創出させるのがどれだけ大変であったか。皆はまだ知らないよ。誰が神かなんてね。皆が神でもいいよ。でも、あの冬の日の三日間は、やはりエデンの書に記され、神として7thという名で、記されているのだろう。あの冬の日、我を導いてくれた存在、以津真天には感謝を述べる。「ありがとう」そしてまた知るのだ。自身が小さき者であることを。神の前にxxxxという人の名を持つ。人間なんだよ。
 神を宿せる人間なんだ。神代カグラは、その中身は、神の化身。神代って書いてるだろ?だから、行うタナトスとエロス、死とセックスは、人間的であるのだ。神に、人に、その前に、お前は何だったか。前世はイルカか? 来世はそんなに欲しいか?

 神涅槃経・終末の歌。

楽園に降る雨を、ただ見ていた。ロータスよ。アユタヤに咲いたロータスよ。アユタヤの水辺に咲いたロータスよ。遠いアユタヤに咲いたロータスよ。アユタヤの水辺に咲いたロータスよ。嗚呼、遠いアユタヤに咲いたロータスよ。アユタヤの水辺に咲いたロータスよ。

 天空、脳、能、使命、果て。そして、凪いだ渚に月の秘儀が映る。嗚呼、人間よ。なんとこの歌を聞くか。いいぞ。聞いていけ。

 終末に凪いだ渚を見据えては、終わりゆく音楽。人知れず終わりゆく音楽。恨まずに人知れず終わる音楽。愛する人を失って、運命を恨まずに人知れず終わる音楽。そこから始まる音楽。嗚呼、薔薇が咲いている。ここは楽園か。見もせずに終わる音楽よ、ありがとう。

フリーズ88 神涅槃経・終末の章

フリーズ88 神涅槃経・終末の章

だから、行うタナトスとエロス、死とセックスは、人間的であるのだ。神に、人に、その前に、お前は何だったか。前世はイルカか? 来世はそんなに欲しいか?

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-11-23

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