モモ

モモ

うつむく きみが 流す涙は
形になった過去が 未来に落ちたもの

このまま 不安な日々が続いたら
世界の色が 色褪せてしまいそう

でもね ぼくらは いつか
この地に 還るときが必ずくるわ


だから いま を 摘み取って
生きてゆく

「積み重ねた今」の色は鮮やかに


この先の未来がこわくなったら

ただ いまを 生きて 
ひたむきに 生きて

生まれもった きみだけの
きみにしかない音色を 聴かせて 



いのちの温度は ばらばら

きみを癒せる なにかがある
きみには癒せる だれかがいる


ぼくらは 生まれた時
時間の扉をくぐりぬけて 
ここまでやって来たんだ
たくさんの山を超え

ぼくらがいのちを終えるとき
ふたたび その扉は開くでしょう


この いま を 生きるのが怖くても
いつかは 時の扉をくぐるの

忘れないで

怖くても いまを 生きて


過去に別れたいのちたちと

扉の向こうで再び出会えたら

ぼくらはどんな歌を歌うだろう

重なる 魂の 歌声よ

モモ

モモ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-10-15

Copyrighted
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