20 - 1 - 今日。

心象は、解け切って平らになった、遥かに続くなだらかな水面のようで。けれど、次の瞬間その世界は押しやられ、新しい場面が挿し込まれる。叫び出したい刹那を堪えるのに全身が疲弊し切っているような、毎日。
望むものは何もない。憔悴は緩やかだ。
逃走は得意で、いつだって平静を保っている。それは間違っていて、ただひと欠けらの力もないだけ。
頭の中が、もういい、もういい、と言ってる。どんなものも要らない。

何故、今までの生活に準じている?
―――今季初めてこたつを寝床にした時の気温は24度だった。風邪を引いた。

目的も信念も誇りもない。そんなものはまずあっていいはずがなく、確信的に皆無であることに安心する。
私を殺すのが私である必要はない。
ここが永遠に在り続ける必要もない。
この世界より大切なものはない。
これはロスタイムではなく、呆けた敗者がひとりでに続ける人生の戯詩だ。
―――嗚呼、人生という言葉は嫌いだった。
知識として知っている、美しさ、豊かさ、荘厳さ、感動、充足、奇跡、どんな世界も、矢張りここでは想像されない。私にはない。狭い狭い狭い、狭い世界。
窮屈、だろうか。
どうだろう。
けれど少なくとも、推敲時にお目こぼしされる程度には、この言葉の鮮度は高いように感じた。それが何だ。
どれもこれもそれも、だから何だ。何になる?
答えたら続くのだ。いいえ、もう続かない。
訳もなく、憔悴は煽られている気がした。
記憶が褪せていく様を観測することも出来ず、そうなっていっているだろうとぼんやりと思考する。静かに、ゆっくりと、終わりへ近付いている。今日も何も変わらない。

20 - 1 - 今日。

20 - 1 - 今日。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-10-12

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