平和軸 一虎くんに彼女がいたら 第13話
第13話「大人の夏」
20歳の年の夏、とらのお母さんに会う事になって私たちは駅前まできた。
「変じゃない?」
「変じゃねぇよ。かわいいぜ」
とらの実家でとらのお母さんに会った。とらが女の子連れてきたことにお母さんは凄く驚いていた。
「私、大丈夫だったかな?お母さんに嫌われてないかなぁ?」
「俺の母親、なんで梨奈連れてきたかわかってねぇぽいけど、まあ大丈夫じゃね?」
「え?わかってなかったのかな?」
「ぜってぇわかってねぇと思う」
その後、それぞれ自分の家に帰って1週間私たちは仕事や学校に追われた。そして1週間後、毎年恒例のとらの家の近所のお祭り。
付き合って5年。20歳にもなれば私たちのお祭りの楽しみ方も変わる。いつも通りに屋台を巡ってみたけど、いつもと違うのは、他人が見てない時に私からキスすることだった。
「今日なんか違うじゃん。誘ってんの?」
「うん……」
お祭りの後、私たちは初めてのラブホへ。
「ラブホでするのドキドキするね」
「場所が違うだけで、やることは一緒じゃね?」
「そうだね」
事が終わった後、私たちは浴槽に泡風呂を作って楽しんだ。ラブホのお風呂って大きくて大人2人入れちゃうから裸での密着が楽しい。またとらと来たいかも。
帰りは朝になっていた。2人で朝帰りなんて大人になった感じがしてなんかいい。まあ、夏休みの間だけだけどね。
夏と言えば、大人の2人には婚前旅行じゃないかって話になって私たちは北海道の洞爺湖に行った。ここは夜に湖から見える花火が最高なんだよね。小学生の修学旅行以来だなぁ。
「綺麗だね。昔と変わってない。来てよかったと思わない?」
「ああ。誘ってくれてありがとうな。近所の祭りの花火よりいい」
東京の花火もいいけど、やっぱり生まれ育った北海道の花火も悪くない。
翌日はお隣の壮瞥町のひまわり畑へ。
「中学の時もひまわり畑来たよな」
「懐かしいね」
「写真撮ろうぜ」
2人で記念撮影、久々かも。ガラケーの時も撮ったことあるけど、スマホの方が気軽に撮りやすいよね。
平和軸 一虎くんに彼女がいたら 第13話