平和軸 一虎くんに彼女がいたら 第10話
第10話「俺のかわいい彼女」
梨奈の19歳の誕生日。俺はこの4年くらい梨奈にしてもらってばっかだったからあるプレゼントをした。
「梨奈、目を閉じろ」
「え?」
「いいから」
「うん……」
梨奈が指示通りに目を閉じた。俺は梨奈の首元にあるものをつけてやった。
「目、開けていいぜ」
「……?わ、これって」
俺は虎のネックレスをあげたんだ。
「いつも色々してもらってるからな。礼だよ、礼!」
「ありがとう、とら!大好きだよ!」
梨奈は勢いよく俺に抱きついてきた。この出会って4年の間に育っている柔らかな胸が俺の胸元にむにっと当たる。
「そ、そんなに喜ぶとは思わなかったな……ははっ!」
頬から耳にかけて火照って熱い。恥ずかしさで紅潮しているのだろうか。
「とら、なんか顔紅いよ?大丈夫?」
そう言って梨奈が額を俺の額にくっつけてくる。
「だ、大丈夫だって!熱はねぇよ!」
「そう……?」
梨奈は不思議そうな顔で俺を見つめる。それにしても俺の彼女、なんでこんなにかわいいんだ?
かわいいといえば、女の子の浴衣じゃね?付き合って4年にして梨奈が浴衣着てきたんだ。
「あれ?今年は浴衣じゃん!」
「かわいい?」
「かわいいに決まってんじゃん!行こうぜ!」
俺たちは例年通り屋台を見たり、かき氷食ったりして祭りを楽しんだ。
帰り道、俺はふとつぶやいた。
「髪、伸ばそうかな」
「伸ばすの?」
「伸ばして場地みたいにすんの」
「また全体的にハイライト入れてもいいかもね」
梨奈はにっこりと笑った。
平和軸 一虎くんに彼女がいたら 第10話