平和軸 一虎くんに彼女がいたら 第8話
第8話「ずっと一緒だよね?」
高校に入ってからとらは女子にモテモテで、毎日のようにラブレターが下駄箱に入ってる。私は毎日ヒヤヒヤ。
「今日もラブレター入ってるね。ちゃんと断ってね」
「うん」
断ってくれるとは言っても何だかずっと不安だった。そして、ラブレターで呼び出されたとらは屋上へ。私もこっそり着いていく。
黒髪の華奢な女の子が「好きです」と告白する。私も知らない大人しめの子だ。
「ごめん……俺、彼女いるんだわ」
そして、いつものパターンで告白した女の子は泣き出して去って言った。
「ねぇ、とら」
「梨奈。そこにいたのかよ」
私はすぐ様とらに駆け寄って抱きついた。
「ずっと一緒だよね?」
とらは私を抱きしめて言った。
「どちらかが裏切らなければずっと一緒だ」
とらは“人は誰しも裏切る“と思っている人間だ。私は強く誓う。絶対裏切らないって。
そして次の日。学校をサボった私たちは私の家で愛の確認をする。
「梨奈、好きだ」
「私も好き」
とらの手が私の制服のボタンに伸びた。あ、今日はいつもと違う大人な感じ……。
「梨奈、暑くね?」
「え?」
「制服、脱がねぇか?」
とらの顔が真っ赤だ。耳まで……ああ、そう言うこととらも私としたいんだ。
ほんとうはプロテスタントだから結婚するまでそう言うことしちゃいけないんだけど、とらならいいかな?
「私の部屋、行こう?」
「あ、うん」
そして、私たちは初めて体を重ねた。生まれて初めてするからぎこちなかったけど、なんとかできた。
「とらのこと、全部好きだよ」
「ほんと……?」
「うん、悪いとこも全部よ」
神様、どうかこの人と身体だけじゃなく人生ごと永遠に結んでください。
平和軸 一虎くんに彼女がいたら 第8話